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概要:米国で中小の銀行3行が経営破綻し、別の1行が瀬戸際に立たされる中で複数の大手行が救済に乗り出した1-3月(第1四半期)、ウォール街の銀行はストレスの兆候をほとんど見せることなく良好な業績を挙げた。今回の銀行決算のポイント5つを以下に示す。
米国で中小の銀行3行が経営破綻し、別の1行が瀬戸際に立たされる中で複数の大手行が救済に乗り出した1-3月(第1四半期)、ウォール街の銀行はストレスの兆候をほとんど見せることなく良好な業績を挙げた。今回の銀行決算のポイント5つを以下に示す。
金利上昇の恩恵
米連邦公開市場委員会(FOMC)の利上げが融資事業からの収入を押し上げ、大手銀行は引き続き恩恵を受けた。JPモルガン・チェースは純金利収入が前年同期比49%増加し、今年通期の純金利収入見通しを約810億ドル(約10兆9000億円)と、1月時点予想の730億ドルから引き上げた。ウェルズ・ファーゴは純金利収入が同45%増、シティグループでは同23%増えた。
3月に一部地銀を経営難に陥れた金利の動きは、ウォール街のトレーダーに好機ももたらした。シティでは、顧客が金利の変化に反応したことで、債券トレーディングの成績がこの10年で最高水準の好成績となった。バンク・オブ・アメリカ(BofA)の1-3月利益は予想を上回った。債券・通貨・商品(FICC)トレーディング収入が34億ドルと、10年ぶり高水準に膨らんだことが寄与した。
預金の高い定着性
顧客の引き出し急増がシリコンバレー銀行(SVB)とシグネチャー・バンク、シルバーゲート・キャピタルの破綻につながり、ファースト・リパブリック・バンクを脅かしたことを受け、投資家は大手6行への資金流入に関する最新情報を注視していた。
JPモルガンは決算時、混乱の直後に約500億ドルの資金が流入したと明らかにしたが、ジェレミー・バーナム最高財務責任者(CFO)は新規の預金について、「幾分気まぐれな」ものかもしれないとの見方を示した。
シティのマーク・メーソン最高財務責任者(CFO)は、3月7日頃から月末にかけて300億ドル弱の資金流入があったと説明。最近の混乱の中で、企業や中規模事業者からの資金流入は「定着性の高い」ものとなる公算が大きいと予想した。
信用悪化
30年ぶりの高インフレで貯蓄が目減りし、米国民の債務返済が再び遅れ始めている。
JPモルガンとBofA、シティ、ウェルズ・ファーゴの米4大銀行が1-3月期に計上した消費者向けローンの損失額は計34億ドルと、前年同期比73%増えた。貸倒引当金の積み増しと合わせると、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)初期以来の高い水準となる。
シティは貸倒引当金を20億ドルと2倍余りに増やし、クレジットカード部門の損失が今年後半から来年初めにかけて通常の状態に戻るとの見通しを示した。ウェルズ・ファーゴは不良債権引当金を6億4300万ドル追加。商業不動産向け融資が主に影響したという。
JPモルガンのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)は決算時、「私なら信用収縮という言葉は使わないだろう」とした上で、「やや引き締まるのは明らかだが、その大部分が一部の不動産に関連したものだ」と述べた。
経済見通し
貸倒引当金の積み増しにもかかわらず、経営幹部は信用収縮が迫っているとはみていない。
BofAのアラステア・ボースウィックCFOは「ポートフォリオにはまだ亀裂が見られていない。消費者の状況は非常に良好だ」と語った。
ダイモン氏は「米経済は引き続き総じて堅調だ。消費者は支出を続けておりバランスシートも健全で、企業も良い状態にある」とした上で、「過去1年にわたり当行が見守ってきた波乱の前兆は依然として見えており、銀行業界の問題がこうしたリスクに加わった」と分析。その後、米国はいずれリセッション(景気後退)に陥るだろうと予測した。
一方、ゴールドマン・サックス・グループのデービッド・ソロモンCEOは「当社は引き続き経済見通しについて慎重だ」として、経済がさらに弱くなっても備えは十分だと付け加えた。
危機、ファースト・リパブリック
危機緩和の若干の兆しが示される中、モルガン・スタンレーのジェームズ・ゴーマンCEOは今回の地銀危機について、2008年の金融危機とは極めて異なり、「全く」比較にはならないと強調した。
預金者の取り付け騒ぎで経営難に陥ったファースト・リパブリックの救済に向け、大手11行は計約300億ドルを同行に最低120日間預け入れることで合意。このうちウェルズ・ファーゴは50億ドルを負担している。
同行のチャーリー・シャーフCEOは「銀行業界に影響を与えた最近の出来事について、当行が米国の金融システムを支えられる盤石な立場にあったことを喜ばしく思う」と指摘。JPモルガンのダイモン氏は決算の電話会議で、「われわれ全員が当然のことをした」と話していた。
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