フォートレス、新ファンドで1.2兆円調達へーディストレスなどに特化

クレジット・オポチュニティーズ最新ファンド、11月に初回締め切り

• 投資対象はディストレス債からストラクチャード・クレジットに及ぶ

米投資会社フォートレス・インベストメント・グループ は、「クレジット・オポチュニティーズ」シリーズの最新ファンド向けに約80億ドル（約１兆2000億円）の調達を目指している。事情に詳しい関係者１人が明らかにした。投資対象はディストレス債からストラクチャード・クレジットに及ぶ見通しだという。

名称は「フォートレス・クレジット・オポチュニティーズ・ファンドＶＩ」で、11月に最初の募集を締め切る見込み。極秘の情報だとして匿名を条件に関係者が語った。

関係者によると、2019年に立ち上げた同シリーズの前回ファンドでは、上限の60億ドルを達成。翌年には新型コロナウイルスのパンデミック（世界的大流行）下での機会を狙って規模を拡張し、追加で70億ドルを調達した。

フォートレスの関係者はコメントを控えた。新規ファンドの資金調達に関しては、クレジット関連情報などを提供する９ｆｉｎが先に伝えていた。

同社が20年にコネティカット州の年金基金向けに作成した資料によると、クレジット・オポチュニティーズ戦略では、適切にリスク評価されていないと判断したディストレス債や過小評価されている資産など幅広い分野を投資対象にしている。

今回は「フォートレス・レンディング・ファンドＩＶ」の資金調達も同時に進めている。目標額は最低30億ドルで、数週間以内に１回目の募集を締め切る見通しだと、関係者が付け加えた。主な投資対象はシニア担保ローンで、大部分はフォートレスがオリジネートしたものだという。

フォートレスのウェブサイトによると、同社の運用資産は440億ドルを超える。最近では訴訟ファイナンス市場の参入に力を入れており、同戦略に特化したファンドの第２弾向けに資金調達を進めていると、ブルームバーグが報じていた。