仮想通貨業者は常識破り－ビットコイン取引をツイッターで事前発表

SberBit mining 'hotel' (mining equipment facility), Moscow, Russia, December 9, 2017. Sberbit gives farms for rent but all fermes and equipment are in the hotel. https://www.sberbit.com/

Photographer: Andrey Rudakov

Photographer: Andrey Rudakov

仮想通貨の世界では、ウォール街での長年の常識が毎日破られる。

世界最大級の仮想通貨交換業者バイナンスは17日、約8100万ドル（約88億円）相当のビットコイン取引を近く行うとツイッター経由で発表した。さらに仮想通貨業界が不安（Fear）と不確実性（Uncertainty）、疑念（Doubt）の頭文字をつなげて使う略語に言及し、「ＦＵＤの心配はない」とも付け加えた。この投稿には絵文字も添えられていた。

https://t.co/cnQePwcOZd

— Binance (@binance) June 17, 2019

バイナンスの広報担当者によると、独自のブロックチェーンを最近導入した同社は主要仮想通貨に連動する複数のトークンを投入するほか、ビットコインに連動するコインの提供も近く始める。このトークンはバイナンスで取引され、ビットコインの裏付けを伴う。この裏付けのため、マルタに本拠を置くバイナンスは必要額となる9001ビットコイン相当の準備金の用意を進めている。

ウォール街の長年の常識では、ツイッター投稿による発表は異例だと、仮想通貨ヘッジファンド会社のプロチェーン・キャピタルのデービッド・タウィル社長は語る。ニューヨーク証券取引所やシカゴ・オプション取引所などは通常、将来のブロック取引を明らかにせず、ツイッター経由で発表することはない。

このため、タウィル氏はバイナンスや仮想通貨業界が規制順守と米証券取引委員会による承認に目を向ける中、ツイッター投稿による発表が「賢明だったのか、確信できない」と発言。「規制当局から承認を得るには、すでに確立された基準に従うのが最善だろう」と述べた。

発表のあった17日、ビットコインは昨年５月以来の9000ドル台に上昇した。

ビットコイン推移

Bloomberg