米国の失業給付、３分の１近くが未支給－失業者急増に支給追いつかず

新型コロナウイルス感染拡大による危機で仕事を失った米国市民に支払われるべき失業給付のうち、３分の１近くがまだ支払われていないことが明らかになった。失業給付は米国の新型コロナ対策の柱だが、未曽有のレイオフの規模に対応が追いついていない。

１日公表されたデータによると、５月までの３カ月間で米財務省は1460億ドル（約15兆8700億円）の失業給付を支給した。失業率が金融危機後にピークを付けた2009年通年の額を上回る規模だ。

しかし、この記録的な給付額ですら十分ではなかった。ブルームバーグが週間の失業保険申請件数と平均的な受給額を基に試算したところ、この期間に支給されるべき額は約2140億ドルに上った。

Not Getting Paid

Third of pandemic-era jobless claims have gone unpaid

Source: Treasury Department, Department of Labor. Estimated total claims cost calculated by Bloomberg based on unadjusted continuing claims plus Pandemic Unemployment Assistance claims. Claims data for the last two weeks of May are averages of the prior four weeks, PUA data for the last two weeks are averages of the prior two weeks.

米国は経済活動の停止で4000万人以上が失業保険を申請する危機のさなかにある。支給されるべき額と実際の支給額との約670億ドルに及ぶ差額は、支給体制の強化が遅れ、州レベルのシステムを通じた支給が限界に達していることを示す。