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概要:Liam Proud [ロンドン 10日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 欧州の投資銀行事業に関して、投資家に好印象を持ってもらうのは非常に難しい。バークレイズ<BARC.L>、クレディ・スイス<CSGN.S>、ドイツ銀行<DBKGn.DE>などが数カ月にわたってトレーディングで際立った利益を計上してもなお、投資家の懐疑的な見方を覆せないままだ。彼らは依然として、「ホールセール部門は縮小を続けるべきだ」というメッセージを発してい
Liam Proud
[ロンドン 10日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 欧州の投資銀行事業に関して、投資家に好印象を持ってもらうのは非常に難しい。バークレイズ(BARC.L)、クレディ・スイス(CSGN.S)、ドイツ銀行(DBKGn.DE)などが数カ月にわたってトレーディングで際立った利益を計上してもなお、投資家の懐疑的な見方を覆せないままだ。彼らは依然として、「ホールセール部門は縮小を続けるべきだ」というメッセージを発している。
最近の投資銀行は市場関連収入が絶好調なので、バークレイズのステーリー最高経営責任者(CEO)をはじめとする各首脳が下した、大規模な投資銀行部門を維持するという決定の正しさが証明されたように見える。
Tricmenのデータによると、世界の投資銀最上位15行の第2・四半期の資本市場関連収入は、前年同期比35%増加した。バークレイズなどにとって、これで新型コロナウイルスに絡む不良債権処理の負担をホールセール事業によって軽減できる格好になった。リテール事業に特化するロイズ・バンキング・グループ(LLOY.L)やバンコ・サンタンデール(SAN.MC)といった銀行で、大半の利益が貸倒引当金に吸い取られてしまったのとは対照的だ。
だが投資家は、こうした自明に思われる事業多角化のメリットについてなお納得していない。実際、バークレイズの株価は、リフィニティブがまとめた今年の見積もりの中央値を用いた有形資産の簿価の38%にとどまっており、ロイズやナットウエストNWG.Lなどリテール重視型の英銀の平均よりほぼ25%低い。クレディ・スイスの株価純資産倍率は、過去10年間でより踏み込んでトレーディング事業を圧縮してきた同じスイスのUBS(UBSG.S)の3分の2しかない。BNPパリバ(BNPP.PA)、ドイツ銀、ソシエテ・ジェネラル(SOGN.PA)の評価額も、ユーロSTOXX銀行指数に対して平均で48%下回っている。評価が相対的に高いのは、ベルギーのKBC(KBC.BR)やイタリアのインテーザ・サンパオロ(ISP.MI)のように、やはりリテール事業に軸足を置く銀行だ。
これには2つの理由がある。まず欧州銀のホールセール事業が不良債権問題に大いに悩まされている点が挙げられる。ドイツ銀の投資銀行部門が今年予想される不良債権に備えて計上した引当金は、グループ全体のおよそ半分を占める。つまり、トレーディングと証券引き受けは景気悪化時に信頼できるヘッジの役割を果たすという主張の根拠はぐらついてしまう。
次に、足元の記録的な高いリターンはどうやら長続きしそうにない点だ。例えばバークレイズとドイツ銀の投資銀行部門は、合計525億ユーロの有形自己資本に基づいて上半期に27億ユーロの利益を稼ぎ出した。年率換算でリターン(有形自己資本利益率)は10.7%と、業界の資本コストの目安となる10%をわずかに上回った形だ。ただ資本市場は既に動きが鈍っており、リターンはまたすぐに10%を割り込むのではないか。
結局、好調が数四半期続いたところで何年にもわたる低いリターンの穴埋めはほとんどできない。投資銀行部門を圧縮しろという投資家の要求がこれまでで最も強まる局面はしばらく変わらないだろう。
●背景となるニュース
*物言う株主のエドワード・ブラムソン氏は、バークレイズに対して投資銀行部門の縮小を繰り返し求めている。ブルームバーグが6日伝えた。
*ブラムソン氏が率いるシャーボーン・インベスターズ・マネジメントは、バークレイズの株式5.9%を保有している。
*バークレイズが7月30日発表した業績では、法人・投資銀行部門の上半期利益は15億ポンドで、前年同期を26%上回ったことが分かる。
(筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています)
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