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概要:JCBとNTTコミュニケーションズは、新しいスーパーアプリ「JCB Mobile Wallet」を発表。2021年中の商用化に向けて、実証実験を開始する。
JCB Mobile Walletは1つのアプリに多機能をのせる“スーパーアプリ”となる構想のものだ。
出典:JCB
JCBとNTTコミュニケーションズは10月8日、世界初(JCB調べ)の外貨為替レート保証付きキャッシュレスアプリ「JCB Mobile Wallet」(仮称)を発表した。
JCB Mobile Walletは10月〜11月にかけて、JCBとNTTコミュニケーションズの関係者間で実証を実施。2021年中に、日本およびアジア圏の商用化を目指す。
外貨両替や送金、決済などができるスーパーアプリ
ビジネスパーソンや在留外国人、家族利用などさまざまなシーンを想定。
出典:JCB
JCB Mobile Walletの利用想定ターゲットは日本人・在留外国人の日常での利用から法人利用、海外渡航時など多岐にわたる。現在想定されているの基本機能は以下の3つとなる。
Multi Currency……日本円を含む22種類の通貨の24時間の両替受付。また、14日以内であれば使わなかった外貨を“元の為替レート”で自国通貨に戻せる。
Multi Accout……家族や法人アカウントの管理が可能。家族間の送金や法人カードのような業務上の決済に利用できる。海外送金にも対応。
Multi Service……Wallet上で動くいわゆるミニアプリ。レストラン予約やタクシー配車など、越境利用時に親和性の高い機能が想定されている。
レート保証の外貨為替機能が目玉。
出典:JCB
基本的にはPayPayなど他社の「スーパーアプリの構想」と同じく、JCB Mobile Walletも1つのアプリで金融系機能を中心にさまざまなシーンで利用できるアプリとなっている。
最大の特徴であるレート保証付き外貨為替機能については、NTTコミュニケーションズが2019年11月に出資したシンガポールのFX(外国為替証拠金取引)のスタートアップ・M-DAQによるもの。
JCBだけではなくNTTコミュニケーションズと企画・開発を行なう。
出典:JCB
そのほかにも、外貨両替機能の「Home Currency Anyware」、他サービスとの接続に利用する「API Gateway as a Service」など、NTTコミュニケーションズの技術が活用されている。
具体的な支払い方法はまだ決まっていないが、Apple PayやGoogle Payなどの非接触決済(NFC TypeA/B/F)やQRコード決済、連携した物理カードでの利用が想定されている。
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狙いはモバイルファーストなサービスの商品化
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今後の展望。
出典:JCB
JCB Mobile Walletはもちろん1つの個人・法人向けアプリとしての展開が想定されているが、加えて他の企業へのOEMなど、いわゆる“BtoBtoC”の展開も視野に入れられている。
JCBの担当者はBusiness Insider Japanの取材に対し、「外国を訪ねる日本人、日本に住む在留外国人、ビジネスパーソンの方など幅広い利用シーンを想定している」としつつ、事業的に最も比重が高くなると期待しているレンジは「ビジネスパーソンである」と話す。
JCBは国際ブランドで、自社でもクレジットカードを発行している。法人向けカードも展開しているが、JCB Mobile Walletはモバイルに特化したアプリと機能になるため、法人カードでは満たせないニーズを満たせる、といった期待を寄せている。
また、NTTコミュニケーションズが持つ「Wallet Exchange」との連携も想定されている。Wallet ExchangeはHome Currency Anywareを用いて、同社が契約を結ぶ海外を含むさまざまな電子マネーからチャージができる機能。
現時点では「いくつかの企業と協議をしている段階」(NTTコミュニケーションズ担当者)とのことだが、連携先が広まれば国を問わずさまざまな電子マネーが、Wallet Exchangeを通じてJCB Mobile Walletに集約できるようになる可能性を秘めている。
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