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概要:その地位を失った億万長者の数は、2010年に比べて2019年は10倍になっている。UBSとPwCの新しいレポートは、その根底にあるパターンを示している。
2019年に億万長者グループから脱落した人の数は、2010年の10倍だった。
Rana Faure / Getty Images
裕福であり続ける億万長者は皆、資産に関してある重要なことをする傾向にある、と新たなレポートが伝えている。それは、投資の多角化だ。
2019年に億万長者グループから脱落した人の数は、2010年の10倍だった。
純資産を安定させたいと考える人にとって、すべての種類の資産が同じように有益というわけではない。
アメリカで大富豪になることはますます難しくなってきているが、それだけでなく、大富豪であり続けることも難しくなってきている。
億万長者の資産は今、過去数十年に比べ「不安定」であるとUBSとPwCによる新たなレポートが伝えている。それによると、2009年に少なくとも20億ドル(約2100億円)の財産があった70人以上が、2020年までにもう億万長者ではなくなっているという。
UBSとPwCによると、2019年の脱落者は億万長者の1.7%に達し、2010年の0.3%から大幅に増えている。脱落者のほとんどが、全財産を1つの企業に投資しており、それが厳しい状況に陥り、いつの間にか「富が侵食」、つまり、徐々に価値が失われることになった。
UBSとPwCの報告によると、2019年に純資産が10億ドル(約1050億円)を切った元億万長者は34人で、ジュール(Juul)の共同創業者、アダム・ボウエン(Adam Bowen)とジェームズ・モンシーズ(James Monsees)、フォーエバー21(Forever21)の共同創業者、ジン・スク(Jin Sook)とドン・ウォン・チャン(Do Won Chang)も含まれている。ほぼ全員が、財産の大部分をあてていた1つの事業が苦戦し、純資産を減らしてしまった。
両社は裕福であり続ける億万長者の財産も調査して、1つの共通点を見出した。多角化だ。
「我々の分析は、事業と資産の多角化が富を維持する鍵であることを示している」とレポートの著者、UBSのグローバル・ウェルス・マネジメントのジョセフ・スタドラー(Josef Stadler)とPwCのマーセル・チャンズ(Marcel Tschanz)は記している。また我々は、ファイナンシャルプランナーたちが、純資産の額にかかわらず、「卵を一つのかごに入れる」リスクを軽減できるよう多様なポートフォリオを勧めることが多い、という点にも注目すべきだろう。
富の侵食という運命を回避するためによく使われる資産の1つが不動産で、億万長者の半数近くが純資産の21%から40%を不動産で所持している、とUBSとPwCは伝えている。こうした投資は、需要が高く低金利だった過去10年間に大きな利益をもたらしたとレポートは伝えている。
「億万長者のイノベーターでさえ、新たな事業を考案し、利益を新たな事業に再投資し続けなければならない」と両社は付け加えた。
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[原文:How billionaires stay rich amid skyrocketing rates of 'wealth erosion']
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(翻訳:Ito Yasuko、編集:Toshihiko Inoue)
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