航空会社のマイレージ、コロナ禍で運休多い今こそ活用の好機

新型コロナウイルスのパンデミック（世界的大流行）で世界の民間旅客機の約３割が運休となる中、インド最大のフリークエント・フライヤー用ウェブサイト創設者のアジェイ・アウタニー氏のようなマイレージの達人は、今こそポイントの利用・獲得に最適な時期だろうと指摘する。

ライブフロムアラウンジを2011年に設立したアウタニー氏は「パニックする必要はない。旅行の機会は減少したが、マイル獲得の機会はそうではない」と指摘。「航空会社はより大規模な販売奨励策を推進している。マイレージの価値は失われていないためこの機会を利用すべきだ」と話す。

人々が外出を自粛する中でも、航空会社はマイルをより安く集めたり、相当お得に引き換えたりできる案を打ち出している。英ブリティッシュ・エアウェイズ（ＢＡ）は通常必要なマイルの半分でフライトを利用できるプロモーションを提供し始めた。各国が入国を制限したり、強制的な隔離措置で旅行の魅力が低減したりする中、上級会員ステータスの有効期間延長やランクアップ要件の引き下げ、ポイント満期の廃止といった措置を多くの企業は実施している。

その理由は、コロナ危機を乗り切るため航空会社が資金を是が非でも必要としているためだ。ロイヤルティー・プログラムは主要な収入源であることから、航空各社はメンバー向けの新提案や新会員の勧誘に取り組んでいる。

チャンギ空港で待機中のエアバスＡ３８０を利用したレストランの食事風景

出典：シンガポール航空

これらのプログラムは、資金不足に苦しむ航空会社にとって必須の支えとなっている。航空会社は地上待機中のジェット機をレストランとして活用したり、ドリンクサービス用カートを販売したり、遊覧飛行を企画したりしているが、最高のプランは航空会社に多額の収益をもたらし得る大勢のファンに特典旅行やアップグレードを促すことだ。

この前例のない業界危機の中、ＢＡの親会社ＩＡＧはなお、アメリカン・エキスプレスへのポイント販売で約10億ドル（約1053億円）を獲得できている。デルタ航空やユナイテッド・エアラインズ・ホールディングスなどの航空会社はそれぞれのプログラムをローンや社債の担保に差し出している。

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旅客機の運航よりもロイヤルティーから多くの収入を得る航空会社もあり、世界の航空旅客が半減した中で手近な命綱となっている。カンタス航空の６月通期決算では、メンバーシップ部門が最大の収益源だった。カンタス航空は同部門が2024年６月までに現在の２倍近い最大６億豪ドル（約448億円）の利益を計上すると予想する。

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