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概要:スイスの銀行クレディ・スイス・グループは、思いがけない複数のリスク要因にほぼ同時に遭遇してつまずき、経済的損失の深刻な痛みを負った。今回は何とか対処するはずだが、次の失敗は許されない。
スイスの銀行クレディ・スイス・グループは、思いがけない複数のリスク要因にほぼ同時に遭遇してつまずき、経済的損失の深刻な痛みを負った。今回は何とか対処するはずだが、次の失敗は許されない。
同行にとって、富裕層向けグローバル資産運用ビジネスは最も重要だ。しかし、英金融ベンチャーのグリーンシル・キャピタル、ビル・フアン氏のファミリーオフィス、アルケゴス・キャピタル・マネジメントの破綻したポジションへのエクスポージャーは、リスク管理の悲惨な状況を露呈させ、特にアジアと中東の顧客の間で評判が損なわれる危険がある。
ロイズ・バンキング・グループのアントニオ・ホルタオソリオ最高経営責任者(CEO)を会長に迎える人事が今月末の株主総会で承認される見込みで、投資銀行責任者もバンク・オブ・アメリカ(BofA)元幹部のベテランバンカー、クリスチャン・マイスナー氏に交代し、経営の新体制が間もなく発足する。トマス・ゴットシュタインCEOは就任から比較的日が浅いということもあり現状は続投だが、最悪のスタートを切った格好だ。
アルケゴスとグリーンシルの問題を受け、クレディ・スイスでは複数のシニアバンカーが去り、幹部チームがほぼ丸ごと入れ替わった。喫緊の課題は力強いリーダーシップで組織を安定させ、暗黒時代のような状況で優秀な人材をキープすることだが、1-3月(第1四半期)の損益は9億スイス・フラン(約1063億円)の税引き前赤字となり、44億フランの減損計上を余儀なくされた。配当3分の2カットと自社株買いの停止を発表したが、それだけでも大変だ。
さらにボーナス原資も著しく圧縮せざるを得ず、優秀なスタッフを引き留める上で現実のリスクとなる。その一方で、普通株式等ティア1(CET1)自己資本比率は少なくとも12%、流動性カバレッジ比率は200%を上回り、基本的に健全性は維持されている。
クレディ・スイスにとって、資産運用部門がグリーンシルと運用していたサプライチェーンファイナンス(SCF)のファンドはそれほど重要ではなく、失敗を乗り越えることはコストは高くても比較的容易だ。だが、アルケゴス後に関する戦略的計算になると話はずっと厄介だ。
ヘッジファンドやファミリーオフィス向けのプライムブローカレッジサービスは、クレディ・スイスの投資銀行の中核ビジネスであり、最も活発で(通常は)最も利益につながる顧客へのアクセスなしには事実上成り立たない。
より足の速いライバルがずっと前に逃げ出す状況で、どうしてアルケゴス関連で最も巨額の損失を背負うことになったかを経営陣は最も懸念するに違いない。カウンターパーティーリスク評価の不備はさておき、クレディ・スイスは十分迅速に反応できず、十分な担保も確保していなかった。
今年は投資銀行全体にとって再び当たり年になりつつあり、それだけにクレディ・スイスは二重の意味で愚かに映る。
スイスのもう一つの大手行UBSグループは好調で格差が際立ち、合併のうわさも決して遠い話ではない。プライベートエクイティー(PE、未公開株)投資会社が弱みに付け込ことも考えられる。新たな経営陣は今こそ先を見越した行動に踏み出すべきだ。
(マーカス・アシュワース氏はブルームバーグ・オピニオンのコラムニストです。このコラムの内容は必ずしも編集部やブルームバーグ・エル・ピー、オーナーらの意見を反映するものではありません)
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