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概要:ミズホメディー<4595>(東2)は、前日9日に280円安の2287円と窓を開けて急続落し、東証第2部値下がり率ランキングの第2位と売られた。厚生労働省が、新型コロナウイルスのPCR検査費用について公
ミズホメディー<4595>(東2)は、前日9日に280円安の2287円と窓を開けて急続落し、東証第2部値下がり率ランキングの第2位と売られた。厚生労働省が、新型コロナウイルスのPCR検査費用について公的医療保険価格を今年12月31日から引き下げることを決定したことを受け先行きの業績に不透明感が強まったとして利益確定売りが増勢となった。ただ同社は、今2021年12月期の年間配当を145円へ大幅増配することを予定しており、この日の株価急落で配当利回りが逆に6.34%に高まり、全市場の配当利回り率ランキングでは第10位、12月期決算会社としてはJT<2914>(東1)を抜いてトップとなるだけに、12月期期末接近とともに強弱感が対立する展開も想定される。
■検査キット大幅増で今期純利益は27倍増益も来期業績が焦点
同社の今2021年12月期の配当は、期初予想の年間48円(前期実績10円)から期中3回の業績上方修正のたびに1回目の上方修正では73円、2回目では110円と引き上げられ、3回目の今年11月8日には145円とさらにアップし、大幅増配が予定されている。配当性向を25%とする株主還元策に基づき増配された。
この大幅増配は、それだけ業績の上方修正が大幅だったことの反映である。今12月期業績は、最終的に売り上げ130億6200万円(前期比4.1倍)、営業利益63億6200万円(同15.2倍)、経常利益63億6400万円(同15.3倍)、純利益45億8800万円(同27.8倍)と大幅増収増益転換が見込まれ、売り上げは期初予想から3回の上方修正を経て54億6700万円、営業利益は43億400万円、経常利益は43億300万円、純利益は30億7900万円それぞれ引き上げられた。純利益は、2018年12月の過去最高(9億1900万円)を大幅に更新する。新型コロナウイルス感染症が、第1波から第5波と拡大するなか、昨年3月に開発し同8月に保険適用となった同感染症向けの遺伝子検査キット(PCR検査キット)が、前期通期の約16万テストから今期は、第1四半期に18万セット、第2四半期に40万セット、第3四半期に41万セットと急増し、今年3月には抗原迅速診断キットを開発・発売したことも上乗せとなった。なお目下進行中の第4四半期は約18万セットの出荷を見込んでいる。PCR検査価格の引き下げは今年12月31日からで今期業績への影響は軽微となるが、来2022年12月期業績の動向が、今後の焦点となる。
■年間配当利回りは株価急落で逆に6.3%と12月決算会社のトップ
株価は、今期のV字回復業績・増配転換予想でストップ高して新型コロナウイルス感染症の感染拡大とともに年初来高値4165円まで大きく上げ、今年5月の1回目の業績修正・増配では材料出尽くし感で今度はストップ安2331円安値まで突っ込んだ。同安値からは8月の2回目の業績修正・増配で3705円の戻り高値まで買い直されたものの、11月の3回目の業績増額・増配では感染拡大の第5波が沈静化し、来期業績の反動減懸念も重なってネガティブに評価され2245円安値に再調整し、2400円台固めから前日9日の急落となった。年間配当利回り6.34%、PER4倍台と綱引きしつつ着地点を探ることになりそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)
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