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概要:[モスクワ/ドネツク/ワシントン 22日 ロイター] - バイデン米大統領は22日、ロシアがウクライナ東部の親ロシア派2地域の独立を承認し軍派遣を命じたことに対する報復として、新たな制裁を科すと発表し
[モスクワ/ドネツク/ワシントン 22日 ロイター] - バイデン米大統領は22日、ロシアがウクライナ東部の親ロシア派2地域の独立を承認し軍派遣を命じたことに対する報復として、新たな制裁を科すと発表した。
バイデン大統領は「ウクライナ侵攻の始まり」とし、「対ロシア制裁の第1弾」を発動すると表明。ロシアの政府系銀行・開発対外経済銀行(VEB)を含む2つの主要金融機関やソブリン債のほか、特権階級層やその親族らが制裁の対象になるとした。
ロシアのプーチン大統領は前日、親ロシア派の「ドネツク人民共和国」と「ルガンスク人民共和国」の独立を承認する大統領令に署名。その上で2地域に軍を派遣するよう国防省に命じた。
バイデン大統領はホワイトハウスで、プーチン大統領は「力によってより多くの領土を奪うための論理的根拠を作り出している」と指摘。ロシアがウクライナのクリミア半島を併合した「2014年に米国と同盟国が実施した措置をはるかに超える制裁に着手する」と強調した。
また、ロシアのソブリン債に対する制裁は、ロシア政府が西側諸国の資金調達から断絶されることを意味すると語った。
このほか、ロシアがベラルーシなどから軍を撤退させていないことを受け、バイデン大統領はエストニア、ラトビア、リトアニアの軍備増強に向け欧州にすでに駐留している米軍の移動を承認したと発表。その上で「完全に防衛的な動きで、ロシアと戦うつもりはない」とした。
米国の制裁発表に先立ち、ドイツのショルツ首相は22日、ロシアからの天然ガス輸送パイプライン、ノルドストリーム2のプロジェクト承認停止を表明。ジョンソン英首相も同日、ロシアの5銀行とプーチン大統領に近い特権階級層の3人に経済制裁を科すと発表した。
欧州連合(EU)の外相も22日、ロシアの27の個人と団体、銀行や国防セクターに制裁を科す方針で合意した。
これに対し、ロシア外務省のザハロワ報道官は22日、西側諸国によるロシアへの新たな制裁は違法だと述べた。
また、ロシアのラブロフ外相は制裁の脅威を一蹴。「欧米英はいわゆるロシアの処罰を全て使い果たすまで止めないだろう」と述べた。
<制裁の影響限定的か>
ただ、専門家は欧英の制裁措置は控えめだと指摘する。弁護士事務所ジェナー&ブロックのパートナー、ポール・フェルドバーグ氏は「限定的で的を絞った」制裁であり、プーチン氏が気に掛ける可能性は低いと述べた。
アナリストによると、ロシアの金融機関は欧米市場へのエクスポージャーを減らしており、限定的な制裁に対して8年前より対応できるようになっているという。
国際金融協会(IIF)の1月の報告書によると、ロシアは14年以降、米債とドルの保有を減らしており、外貨準備高に占めるユーロと金の割合はドルよりも大きくなっている。
また、ロシアの外貨準備高は6350億ドルと高水準なほか、1バレル=100ドル近い原油価格や2021年の債務残高の対国内総生産(GDP)が18%と低水準にあることもロシアのマクロ経済的な防衛力を強固にしているという。
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