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概要:[東京 7日 ロイター] - 日銀は20―21日の金融政策決定会合で、2022年度の物価上昇率見通しを2%台前半に引き上げる一方、成長率見通しは引き下げる方向で検討する見通しだ。複数の関係者が明らかに
[東京 7日 ロイター] - 日銀は20―21日の金融政策決定会合で、2022年度の物価上昇率見通しを2%台前半に引き上げる一方、成長率見通しは引き下げる方向で検討する見通しだ。複数の関係者が明らかにした。日銀内では、国内での新型コロナウイルス感染者数の再増加、米国の急速な利上げによる米景気減速への警戒感が浮上している。現在の金融緩和を維持し、国内景気の回復を下支えする方針を改めて示すとみられる。
<コアコアCPI、引き上げの可能性>
日銀は決定会合で「経済・物価情勢の展望」(展望リポート)を議論する。22年度の消費者物価指数(除く生鮮食品、コアCPI)の政策委員見通しの中央値は、前回4月は前年度比プラス1.9%だった。日銀では、資源高で企業の値上げが想定以上に進んでいるとの見方が出ている。
6月日銀短観では、企業の3年後の物価見通しが過去最高のプラス2.0%となった。予想インフレ率の高まりを受け、振れが大きい生鮮食品とエネルギーを除く消費者物価指数(コアコアCPI)の見通しも上方修正の可能性がある。ただ、日銀では先行きの賃上げについては不透明感が残るとして、2%目標の持続的・安定的な実現にはまだ時間を要するとの声が聞かれる。
<景気下振れリスクの高まり>
22年度の実質国内総生産(GDP)は前年度比2.9%増から下方修正の見通し。中国・上海の都市封鎖の長期化で4―6月期の生産が下押されたことなどを反映する。
日銀は景気の現状について「基調としては持ち直している」との判断を示し、先行きも新型コロナウイルス感染症や供給制約の影響が和らぐもとで、外需の増加などに支えられて「回復していく」との見通しを示してきた。
しかし、景気の下振れにつながるリスク要因が増えている。国内では新型コロナウイルスの感染者数が再び急拡大。海外でも、中国のゼロコロナ政策の行方に加え、米連邦準備理事会(FRB)による急ピッチな利上げで米景気の減速がどの程度になるか注視すべきだとの指摘が日銀内で出ている。
日銀では、サービス消費を中心に個人消費の回復が今後も継続するとの見方が出ており、国内景気の回復シナリオを維持する見通しだが、内外経済の下振れリスクを改めて強調するとみられる。
(和田崇彦、木原麗花 編集:石田仁志)
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