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概要:スイス国立銀行(中銀)が12年ぶりの利上げに踏み切り、その後フランは他の主要通貨に対し大きく水準を切り上げました。 ただ、ここにきて過度なフラン高を回避しようと中銀が為替介入。 フランは上昇基調を維持
スイス国立銀行(中銀)が12年ぶりの利上げに踏み切り、その後フランは他の主要通貨に対し大きく水準を切り上げました。
ただ、ここにきて過度なフラン高を回避しようと中銀が為替介入。
フランは上昇基調を維持しながらも上値の重い展開が予想されます。
8月3日に発表されたスイス7月消費者物価指数(CPI)は前年比+3.4%と、市場予想の+3.5%を小幅に下回りました。
これによりインフレピークアウトの思惑が広がり、フランは売り優勢の展開に。
とはいえ、1993年以来29年ぶりの高水準で、8月CPIも同程度となり中銀目標の1~2%を上回るとの見方から買戻しが強まりました。
他の主要経済指標も堅調さが目立ち、フランの底堅い値動きが続いています。
スイス中銀は6月16日、政策金利を-0.75%から0.5ポイント引き上げ-0.25%としました。
2007年9月以来15年ぶりの利上げは今年前半の大きなサプライズとなり、フランは急伸。
市場では異次元緩和を堅持する日銀にも影響を与えるとの思惑から、円買いが強まる場面もありました。
スイス中銀は9月22日の定例会合で0.50ポイントの追加利上げを実施し、マイナス金利から脱却すると見込まれています。
フランは円と同じ安全通貨で、フラン・円はこれまで動意の乏しい通貨ペアとして浸透していました。
しかし、2022年は年初からすでに20円超も値上がりし、足元は140円台と昨年では考えられない高値圏に浮上。
特に、ユーロ圏のスタグフレーション入りが警戒され、ユーロを売ってフランを買う動きが顕著です。
フランは先週の取引で1ユーロ=0.96フラン付近と、2015年1月の高値を更新しました。
一方で、スイス中銀が公表した当座預金残高は8月に入って20億フラン(約20億ドル)前後増加しており、為替介入で過度なフラン高を抑制している可能性が指摘されます。
同中銀は利上げによるフラン高は輸入物価を抑制する効果が期待される半面、輸出産業の収益を圧迫する要因とみているようです。
実際、今年6月のサプライズ利上げの際、フランの急激な値動きには対応を示唆していました。
だとすれば、フランの値動きは今後上昇基調を維持しても、そのペースはかなり緩慢にならざるを得ません。
9月に入るとCPIや4-6月期国内総生産(GDP)、中銀政策発表とスイス国内の重要イベントが続きます。
利上げでフラン高に誘導しながら為替介入で行き過ぎたフラン高を抑制する高度な金融政策は、異次元緩和で身動きのとれない日銀へのヒントになるでしょうか。
(吉池 威)
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