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概要:米国では家賃が急騰し、貯蓄の乏しい若い労働者層を直撃、その多くが家賃を賄うために副業を始めたりルームメートを募集するなど自衛に努めている。
[21日 ロイター] - 米国では家賃が急騰し、貯蓄の乏しい若い労働者層を直撃、その多くが家賃を賄うために副業を始めたりルームメートを募集するなど自衛に努めている。
米国では家賃が急騰し、貯蓄の乏しい若い労働者層を直撃している。ニューヨーク大学の博士課程に在籍するミーブ・コズラークさん(23、写真)はニューヨークのクイーンズ地区の賃貸アパートに暮らして1年。自宅のドアは鍵が壊れているが、家主に修理を拒否された。
米国勢調査局の推計によると、全米の2021年の家賃は中央値が1037ドルで、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)前に当たる19年の941ドルと比べて10%も上昇した。過去10年間は前年比上昇率がおおむね2─3%で、唯一の例外が19年の5%だった。
特に打撃を受けているのは、ほとんど貯蓄がなく、住宅を購入できない大卒など新社会人だ。
ニューヨーク大学の博士課程に在籍するミーブ・コズラークさん(23)はニューヨークのクイーンズ地区の賃貸アパートに暮らして1年になる。自宅のドアは鍵が壊れているが、家主は修理を拒否。コズラークさんは鍵の状態を動画に撮り、動画投稿アプリTikTok(ティックトック)に上げた。1年たって動画は23万人に視聴され、家主は2500ドルの家賃を1000ドル値上げすると通告してきたが、鍵は壊れたままだ。
「払える範囲の家賃で、靴箱のようには狭くない物件を探すため必死になったけど、無理」とコズラークさん。同じ地区に3300ドルの物件が新たに見つかり、幸運だと思っている。
家賃高騰にまつわるこうした事例は全米にあふれている。
テキサス州オースティンのスカイラー・リーさん(22)は2ベッドルームのアパートを借りる1年契約を結び、ボーイフレンドと月1950ドルの家賃を払っている。引っ越しから1カ月、同じアパートの別の住戸が家賃2400ドルで貸し出された。リーさんは次の契約更新時には家賃がこの水準に引き上げられると覚悟している。
シカゴのケビン・アンジェロ・クパイさん(23)は賃貸住宅に住むのを断念し、同じくシカゴに住む家族の元へ引っ越すことを決めた。職を探しながら月1000ドルの家賃を払うのは不可能だからだ。
西海岸に住むセリーヌ・プンさん(21)はサンタバーバラのアパートをルームメートとシェアし、費用を抑えていた。しかし月々600ドルの負担が50ドル増え、5人のルームメートのうち数人が退去したため、結局は引っ越すことになった。「とてもいらいらする出来事だった」と言う。
<前例なき市場>
通常は規模が大きい、管理会社が運営する物件の家賃はもっと劇的に上昇している。
ハーバード大学住宅研究共同センター(JCHS)によると、こうした物件は家賃の年間上昇率が2021年末から22年初めにかけて11.6%に達し、パンデミック前の5年間の約3倍に膨らんだ。一方、パンデミック後の需要急増により、空室率は1984年以来の低水準に下がった。
JCHSの上級研究員、ホイットニー・エアグッド・オブリッキ氏は「いろいろな点で、全く前例のない市場だ」と述べた。
その主な原因は新型コロナのパンデミックにある。
2020年にパンデミックが起きると、富裕層は感染を避けるために夏の別荘や辺ぴな地域に移り、多くの都市で空室が増え、家賃が急落した。
家主は今、そのときの損失を埋め合わせ、維持費や保険料の上昇分を取り戻そうとしていると、小規模の家主を代表する米国アパートオーナー協会のマーケティング・ディレクター、アレクサンドラ・アルバラド氏は指摘する。
大都市や、リモートワークのために移住する人が増えた地域は物件の供給が少なく、家主は入居希望者に以前より高い所得条件を求めることが可能になっているという。
ニューヨーク大学のマイケル・キーン非常勤教授(都市計画)は「30代を中心とするミレニアル世代はアパート暮らしを続けており、家を買うことができない」と指摘。こうした世代が賃貸市場にとどまり続け、次の世代の参入を妨げているという。
黒人などマイノリティーの一部は、より追い詰められていると感じるかもしれない。ニューヨーク大学のイングリッド・グールド・エレン教授(都市計画)によると、黒人の場合、米国において重要な富の源泉となる住宅を有して経済的な支援を期待できる親を持つ可能性が低い。
不動産会社ジローが最近行った調査で、有色人種の賃借人は白人に比べて高い敷金や申込金を要求されることが分かった。
ニューヨークは以前から競争が激しく、家賃が割高なことで知られるが、入居の条件として家賃の40倍の年収か、家賃の80倍の年収のある保証人を求められる場合もあるという。
大学を卒業したばかりのカレブ・シーモンさん(22)は住まいを確保するためにシンクタンクでのフルタイムの仕事の傍ら、ウーバーイーツの配達員を始めた。それでもニューヨークのアパートが見つかったのはルームメートの親が保証人になってくれたおかげだ。「今は最も安いアパートを手に入れることさえ、非常に困難で特権的なことだ」と言う。
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