米国債利回り上昇で「株6割・債券4割」＝シタデルＣＥＯ

世界最大級のマーケットメーカーのシタデル・セキュリティーズ創業者、ケン・グリフィン最高経営責任者（ＣＥＯ）は２８日、運用の６割を株式、４割を債券とするリスク緩和型配分が最近の米国債利回り上昇を背景に魅力を回復する可能性が高いとの考えを示した。

［ニューヨーク ２８日 ロイター］ - 世界最大級のマーケットメーカーのシタデル・セキュリティーズ創業者、ケン・グリフィン最高経営責任者（ＣＥＯ）は２８日、ニューヨークでの投資会議で、運用の６割を株式、４割を債券とするリスク緩和型配分が最近の米国債利回り上昇を背景に魅力を回復する可能性が高いとの考えを示した。「ここしばらくに比べ、今はかなり改善している」と述べた。

同ポートフォリオ戦略は今年、株式も債券も値下がりする中で打撃を被ってきた。しかし、２８日には米１０年国債利回りが一時、１２年ぶりの高さである４％超に上昇。グリフィン氏は「利回りが１％だったころに比べれば、今は戦略の魅力がはるかに抗しがたいものになっている」と指摘した。

米株式については、価値水準はまだまだ比較的高いとの考えを示した。

米連邦準備理事会（ＦＲＢ）がインフレ抑制を狙い積極利上げ姿勢を強めていることについては、来年の景気後退につながる可能性が高いと予想。「景気後退は来るだろう。それがいつになるか、どれぐらい深刻になるかが分からないだけだ」と語った。

英国でトラス新政権が大型減税の財政拡張策を発表し、通貨ポンドが過去最安値に下落、英国債が売り込まれたことについては、こうした英資産売りが海外の他の市場に波及する可能性は低いと予想。ただ「主要な先進国市場で投資家の信認が失われるのを目撃するのは随分久しぶりのことだ」と述べた上で、英国への信認喪失に懸念を表明した。