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概要:来週の外為市場は、主要通貨が波乱含みの展開となりそうだ。米国は金利が歴史的水準へ上昇し、円は下値で当局の目が光る。英国では新政権の経済政策に不信が高まり、欧州は冬の需要期を前にロシアからのエネルギー調達に懸念が続く。各通貨ともに不安定要因を抱え、値動きが安定しづらい。
9月30日 来週の外為市場は、主要通貨が波乱含みの展開となりそうだ。写真は2016年1月撮影(2022年 ロイター/Jason Lee)
[東京 30日 ロイター] - 来週の外為市場は、主要通貨が波乱含みの展開となりそうだ。米国は金利が歴史的水準へ上昇し、円は下値で当局の目が光る。英国では新政権の経済政策に不信が高まり、欧州は冬の需要期を前にロシアからのエネルギー調達に懸念が続く。各通貨ともに不安定要因を抱え、値動きが安定しづらい。
予想レンジはドル/円が142━147円、ユーロ/ドルが0.95―1.00ドル。
波乱含みの典型例はドル/円だ。米国債市場では2年債利回りが15年ぶり、10年債が12年半ぶり、30年債が9年ぶりの高水準へ上昇する中、年初来続くドル一強の構図は一段と鮮明になってきた。主要国間で唯一マイナス金利政策を続ける日本円は最も対照的な存在で、対円でドルが上昇しやすい状況は不変といえる。
しかし、日本政府・日銀が24年ぶり円買い介入でドル高/円安方向への動きを力づくで封じ込めた結果、ドル/円は日々1円超の値幅で上下しながら、結果的には142─145円の範囲内に押し込められる、いびつな動きが続いている。
介入警戒とドル高地合いの均衡が続いてきたが、力関係がどちらかに少しでも傾けば、円相場には大きな動きが発生する可能性がある。日々の値動きはもちろん、3日の米ISM製造業景況指数、7日の雇用統計などが注目される。
別の角度から見れば、円買い介入でドル/円は当面、レンジ相場が続く公算が高まったともいえる。実際、通貨オプション市場のドル/円の1カ月物の予想変動率(インプライド・ボラティリティ)は、介入が行われた22日に年初来の高水準となる14%台へ上昇したが、その後1週間でじりじりと低下。現在は12%台で推移している。
大きく動かないなら、市場ではそれに沿った投資戦略が練られる。代表的なのは、当面のレンジ推移を予想する「ダブルノータッチ」と呼ばれるオプションで、ポジションを構築をする動きが出てきたという。ソシエテ・ジェネラルでは、期間3カ月でレンジの上下限となるノックアウトを137円と147円に設定するよう、推奨している。
英金利の急騰は中銀の国債買い入れでいったん落ち着いたものの、政府はその原因となった経済対策は適切だと主張し、現時点で見直しは期待薄。ロシアと欧州を結ぶ天然ガスの海底パイプライン「ノルドストリーム1」の運営会社は、損傷復旧のめどをまだ示していない。ポンドとユーロはその動向に一喜一憂することになりそうだ。
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