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概要:世界の金融システムはストレスの兆候が散見されるようになり、危機の「伝染(コンテイジョン)」や金融商品の価格暴落などあらゆる問題を巡って不安が噴出している。世界中の中央銀行がインフレを抑え込もうと苛烈な引き締めに動き、金融が不安定化しやすい環境が醸成されたためだ。
[12日 ロイター] - 世界の金融システムはストレスの兆候が散見されるようになり、危機の「伝染(コンテイジョン)」や金融商品の価格暴落などあらゆる問題を巡って不安が噴出している。世界中の中央銀行がインフレを抑え込もうと苛烈な引き締めに動き、金融が不安定化しやすい環境が醸成されたためだ。
10月12日、世界の金融システムはストレスの兆候が散見されるようになり、危機の「伝染(コンテイジョン)」や金融商品の価格暴落などあらゆる問題を巡って不安が噴出している。
こうした問題が現実化するとボラティリティーがいかに急上昇するかを見せつけたのが、先月の英国債相場の急落をきっかけとした世界市場の動揺だった。イングランド銀行(英中銀)が市場安定化に動いたが、ドルの世界的な需要や信用市場におけるリスク回避の度合いといった注目度の高い指標は、なおストレスの高まりを示している。
今後の混乱拡大を示唆する兆しは増えている。今週に限っても、国際通貨基金(IMF)が「無秩序な資産価格の再評価」や金融市場で危機が「伝染」するリスクを警告し、JPモルガンのダイモン最高経営責任者(CEO)が景気後退の可能性に言及。著名投資家のレイ・ダリオ氏は11日、米経済は「最悪の状況」に向かっていると警鐘を鳴らした。
ゴールドマン・サックスがまとめた、資金調達のしやすさを表す指数は、金利の急騰や株安、ドル高などを背景に、9月下旬に世界の金融環境が2009年以来最も引き締まったことを示した。
ニュートン・インベストメント・マネジメントの投資マネジャー、スーザン・ハッチンス氏は、今の環境は、予見不能で甚大な影響を招く「ブラックスワン(黒い白鳥)」イベントのリスクを高めていると指摘。「足元の市場流動性はかなり低い。金融システムには膨大な量のレバレッジが蓄積し、金利も非常に高くなっており、犠牲者が出るのは確実だ」と話す。
<ドル需要が急増>
世界経済に掛かっているストレスを測る指標の1つがドル需要だ。投資家がドルに資金を退避させようとしているため、このドル需要は急増している。
ドル需要の指標であり、金融機関がユーロをドルに交換する際に必要な上乗せ金利(ベーシス・スワップ・スプレッド、3カ月物)は今月、英国債相場の動揺を受けて2020年3月以来の水準に上昇。9月下旬以降、高止まりしている。こうした動きはドルと円のスワップスプレッドにも見られる。
IMFのエイドリアン金融資本市場局長は同指標の動きについて、「この大きさは極めて異例だ。ドル資金が不足している」と述べた。
社債市場でもリスク回避の動きがこの数年で最も強まっていることが読み取れる。「ICE BofA米社債指数」を見ると、米国債に対する社債利回りの上乗せ分は先月、2020年6月以来の高水準を付け、その後もわずかな低下にとどまっている。
フランクリン・インカム・インベスターズのエド・パークス最高投資責任者(CIO)は、英国に端を発した先月の世界的なボラティリティー急上昇は、金融政策が世界的に引き締まっているときにはリスクがいかに容易に市場に広がるかを示したと指摘した。「このような大規模な金融引き締めサイクルにおいては緊張が生じることが浮き彫りになった」という。
もちろん、システミックな危機が絶対に起きるとは言い切れない。イエレン米財務長官は11日、ボラティリティーの上昇にもかかわらず米市場に金融不安定化の兆候は見られないと述べた。
バークレイズ・プライベート・バンクの債券戦略責任者、ミシェル・ヴェルニエ氏も、「ディストレスト(返済不能)のシナリオが語られる状況には程遠い」と慎重だ。「過剰なインフレが続いているが、家計や企業、政府は準備のための時間を与えられてきた」という。
それでも、世界市場の動揺がすぐに収まるとはほとんどの人が思っていない。イングランド銀行のベイリー総裁は11日、国債買い入れを3日後に打ち切るとし、価格下落で打撃を受けた英年金基金に対応を急ぐよう促した。
米国の株式と国債のボラティリティーは、13日の9月消費者物価指数(CPI)発表を前に上昇し、「非常にストレスのかかるイベント」に相当するレベルになっていると、IMFのエイドリアン氏は述べた。
ブラックロックのEMEA iシェアーズ・フィクスト・インカム・ストラテジーの責任者、Vasiliki Pachatouridi氏によると、顧客の間で新たに金融不安定化のリスクが注目され始めていると説明。関心の順は「インフレそのものがトップで、次に来るのが地政学と金融の安定だ」と述べた。
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