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概要:ドル/円相場はついに148円台まで上昇し、1990年8月以来32年ぶりの水準まで上がった。日米の物価上昇率の違いを考慮した実質的な水準では、すでに1970年代の1ドル=360円当時よりも円安水準となっている。
[東京 17日] - ドル/円相場はついに148円台まで上昇し、1990年8月以来32年ぶりの水準まで上がった。日米の物価上昇率の違いを考慮した実質的な水準では、すでに1970年代の1ドル=360円当時よりも円安水準となっている。
【东京17日】——美元/日元汇率最终升至148日元的水平,为1990年8月以来32年来的最高水平。考虑到日本和美国的通胀率差异,日元从 1970 年代美元 360 日元开始就已经贬值。
しかし、経済合理性に基づいて行動する主体が少なくなっている現状では、購買力平価が持つアンカー機能は影響が小さくなっている可能性があり、ドル/円相場がどこまで上昇するかを見通すのは難しくなっている。
不过,在目前基于经济理性行事的主体较少的情况下,购买力平价的锚定作用可能影响较小,美元兑日元汇率将上涨多远也很难预测,难度越来越大。
<ドル高と円安が併存>
2021年初からの2年弱でドル/円相場は102円台から46円も急騰している。この間の主要通貨の騰落率をみると、米ドルが最強通貨、円が最弱通貨となっており、ドル/円相場のこの2年弱の急騰は、「米ドル高」と「円安」双方が影響していると言える。
2021年初不到两年,美元/日元汇率从102日元飙升至46日元。从这一时期主要货币的涨跌幅度来看,美元是最强的货币,日元是最弱的,可以说是有影响的。
そして、これまで何度か指摘している通り、「円安」の背景はかなり構造的に根深い要因となっている。円の実質実効レートは1971年以来の円安水準である。
而且,正如我多次指出的,“日元贬值”的背景是结构性的根深蒂固的因素。日元的实际有效汇率是自 1971 年以来的最低水平。
しかし、10月5日以降、ドル/円相場の143円台からの上昇基調の背景は「米ドル高」主導になっている。この間の主要通貨のパフォーマンスを見ると、ドル独歩高となっており、円は3番目に弱い通貨に止まっている。
不过,美元/日元汇率自10月5日以来从143日元的水平走高,是由强势美元带动的。纵观这段时期主要货币的表现,美元自升,而日元仍是第三弱货币。
<FFレート5%まで織り込んだ市場>
ドルは引き続き米連邦準備理事会(FRB)の利上げ期待の高まりに押し上げられる展開が続いている。FF金利先物市場は相変わらず2023年第1四半期が利上げのピークとの織り込みを維持しながら、そのピーク水準は上方シフトを続けており、先週はFF金利ターゲットの上限が5%まで引き上げられることを織り込んだ。
美国联邦储备委员会(frb)加息预期升温,美元继续走高。联邦基金利率期货市场继续定价 2023 年第一季度的加息峰值,但峰值水平继续向上移动。
8月以降の相関関係でみると、FRBの利上げ織り込みが25bp変化するとドル名目実効レートが1%変化する関係となっている。ドル/円相場との関係でみると、FRBの利上げ織り込みが25bp変化すると、ドル/円が2円弱動く関係となっている。
从 8 月开始的相关性来看,美联储加息假设 25 个基点的变化与美元名义有效利率 1% 的变化相关。从与美元/日元汇率的关系来看,美联储加息假设的 25 个基点的变化将使美元/日元汇率略低于 2 日元。
つまり、今後市場がどこまでFRBの利上げを織り込むかが、ドルの全体的な動きにとって重要であり、それはもちろんドル/円相場にも影響することになる。
换句话说,市场对美联储未来加息的定价对美元的整体走势很重要,这当然会影响美元/日元的汇率。
FRBがどこまで利上げを続けるのかについて、過去の経験則で1つ興味深いものがある。それは、1970年代以降のFRBの利上げ局面で、FF金利の水準が米コアCPI(エネルギーと食品を除く消費者物価指数)前年比より下の水準で利上げが終了したことはない、というものである。
一个有趣的历史经验法则是美联储将继续加息的幅度。也就是说,在美联储自 1970 年代以来的加息阶段,ff 利率水平从未以同比低于美国核心 cpi(不包括能源和食品的消费者价格指数)的水平结束。
9月の米コアCPI前年比はプラス6.6%だった。つまり、過去の経験則に照らしてみると、FRBの利上げが6%台、もしくは7%台まで続いてもおかしくはないことになる。J.P.モルガンの予想はFRBが来年1四半期までにFF金利のターゲットを4.50─4.75%まで引き上げたところで、利上げ終了となっている。
美国 9 月份核心 cpi 同比上涨 6.6%。也就是说,根据以往的经验,美联储继续加息到6%甚至7%的区间也就不足为奇了。 j。 p。摩根预计美联储将在明年第一季度完成加息,届时将联邦基金利率目标上调至 4.50% 至 4.75%。
従って、あくまでも計算上・仮定の上での話で、当社のメインビューではないが、仮に現在のFF金利先物市場とドル/円相場の相関関係が続くと仮定し、市場が6%までの利上げを織り込むとドル/円相場は155円を超え、7%までの利上げを織り込むとドル/円相場は163円台まで上昇するという計算になる。
因此,这只是一个计算和假设的故事,并不是我们的主要观点,但假设目前ff利率期货市场与美元/日元汇率之间的相关性继续存在,市场将向上加息至6%。考虑到加息,美元/日元汇率预计将超过155日元,考虑到最高7%的加息,美元/日元汇率将升至163日元的水平。
<注視すべき米3カ月─10年のスプレッド>
そこまでの利上げが本当に実現するかどうかはもちろん定かではないが、利上げ継続の可能性を測るうえで、市場のリセッション懸念との関係を見ておくことは重要だろう。つまり、市場がリセッションを本格的に織り込むほどまでの利上げが進めば、その後、利上げ期待は後退して結局、ドルの全体的な上昇も止まることになる。
当然,不确定加息到那种程度是否真的会实现,但重要的是要研究与市场衰退担忧的关系,以评估继续加息的可能性。换句话说,如果利率上升到市场定价为全面衰退的程度,那么加息的预期将会消退,最终会阻止美元的整体升值。
そうした意味では、3カ月─10年の米イールド・カーブはドル全体の今後の動きにとって重要となってくるかもしれない。3カ月─10年の米イールド・カーブはこれまでも逆イールドとなると、その後、比較的すぐに米経済がリセッション入りする傾向があったが、現在はまだ逆イールドとはなっていない。
从这个意义上说,美国 3 个月至 10 年期收益率曲线可能对美元整体的未来走势变得重要。美国 3 个月至 10 年期收益率曲线历来倾向于反转,导致美国经济相对较快地陷入衰退,但目前还没有。
単純に言えば、FRBの利上げに伴って上昇する3カ月金利から10年金利が逃げている(上昇している)状態が続いている。従って、今後FRBの利上げが進み、3カ月金利が上昇しても、10年金利が逃げ切れず(上昇し切れず)、3カ月金利が10年金利を上回るようなことになると、リセッション懸念が急速に高まり、最終的に利上げは終了し、ドルの全体的な上昇も止まることになると考えられる。
简单地说,10 年期利率继续逃离(上升)3 个月期利率,后者随着美联储加息而上升。因此,即使未来 frb 继续加息,3 个月利率上升,10 年利率也无法逃脱(不能上升),如果 3 个月利率超过10年期利率,对经济衰退的担忧将迅速增加,加息终将结束,美元整体升值将停止。
そうなれば、円の構造的な弱さは続いても、ドル/円相場の上昇基調はいったん収まるだろう。
如果发生这种情况,即使日元的结构性疲软继续存在,美元/日元汇率的上涨趋势也将暂时消退。
<漸減する介入の効果>
もちろん、日本の財務省によるドル売り・円買い介入が一時的にドル/円の上昇を抑える可能性はあるだろう。しかし、「ドル高」の流れの中では、介入の効果はさらに限定的なものとなるし「投機的な動きをけん制するため」という理由で介入を正当化するのも難しいかもしれない。
当然,日本财务省的干预卖出美元买入日元也有可能暂时抑制美元/日元对的升值。然而,在当前“强势美元”的趋势下,干预的效果将更加有限,以“防止投机行为”为由进行干预可能难以为之辩解。
1997─98年の円買い介入と同様、やはり今回も散発的・限定的な介入にならざるを得ないだろう。また、介入は回数を重ねるほど、1回1回のインパクトが小さくなってくる。次の介入の局面でドル/円が下がったところで、ドルを買いたいと待っている市場参加者は多いであろう。
就像 1997-1998 年的日元买入干预一样,这种干预可能必须是零星的和有限的。此外,随着干预次数的增加,每次干预的影响会变小。当美元/日元在下一阶段的干预中下跌时,将有许多市场参与者等待买入美元。
さらに、バイデン米大統領は週末にアイスクリームを食べながら「ドル高は懸念していない。他国の経済を懸念している。問題は我々の政策ではなく、他国の健全な政策や経済成長が足りないことである」と、ドル高を問題視しない姿勢を示した。
“我不担心强势美元。我担心其他国家的经济。问题不在于我们的政策,而在于其他国家缺乏稳健的政策和经济增长,”拜登总统隔着冰面说奶油周末。就是这样,并表现出不将美元走强视为问题的立场。
イエレン米財務長官も14日に「市場が決定する為替レートがドルにとって最善の仕組みであり、我々はそれを支持している」、「物価上昇の抑制に向けてやるべき仕事はまだ残されている」と発言している。
美国财长耶伦14日表示,“由市场决定的汇率是美元的最佳机制,我们支持它,”并补充说,“遏制通胀仍有工作要做。有。”
日本側も日銀の金融政策との整合性が取れておらず、国際間の協調もない中でのドル売り・円買い介入は効果を発揮しないだろう。
日方也与日本央行的货币政策不符,如果没有国际合作,美元卖出/日元买入干预不会奏效。
米ドルの実質実効レートは1985年11月以来、37年ぶりの水準まで上昇している。1985年9月のプラザ合意前の同年3月につけたピークまであと10%程度のところまで上昇している。
美元实际有效汇率升至1985年11月以来37年来的最高水平。它比 1985 年 9 月广场协议之前的 1985 年 3 月达到的峰值高出约 10%。
しかし、1985年の米国のインフレ率は全体が前年比3%台、コアが同4%台と現在よりはるかに低い水準で推移していた。米国のインフレ率が落ち着くまで、米当局がドル高懸念を他国と共有する可能性は低いとみられる。
然而,与前一年相比,美国 1985 年的通货膨胀率总体处于 3% 的范围内,核心的通货膨胀率为 4%,远低于今天。在美国通胀稳定之前,美国官员不太可能与其他国家分享对强势美元的担忧。
従って、今後もドル高の動きがドル/円相場を少なくとも155円程度まで押し上げる可能性は高そうだ。円の要因をみると、相変わらずファンダメンタルズから来る円売りは続いている。
因此,美元的强势似乎很可能继续将美元/日元汇率推高至至少 155 日元。从日元的因素来看,由于基本面,日元抛售照常进行。
海外からの訪日客が急増し、極端に安くなった円を買って、日本でショッピングを楽しんでくれるのにもまだ、もう少し時間がかかりそうだ。水際対策以外の日本側の政策変更がなければ、しばらくはドル/円相場の天井が見えてこないだろう。
随着从国外来日本的游客数量的迅速增加,他们似乎需要更多的时间来购买已经变得非常便宜的日元,并享受在日本购物的乐趣。除非日方在边境措施之外有政策变化,否则美元兑日元汇率在一段时间内不会见顶。
編集:田巻一彦
编辑:玉木和彦
(本コラムは、ロイター外国為替フォーラムに掲載されたものです。筆者の個人的見解に基づいて書かれています)
(本专栏发于路透社外汇论坛,基于作者个人观点撰写。)
*佐々木融氏は、JPモルガン・チェース銀行の市場調査本部長で、マネジング・ディレクター。1992年上智大学卒業後、日本銀行入行。調査統計局、国際局為替課、ニューヨーク事務所などを経て、2003年4月にJPモルガン・チェース銀行に入行。著書に「インフレで私たちの収入は本当に増えるのか?」「弱い日本の強い円」など。
* toru sasaki 是摩根大通银行市场研究主管兼董事总经理。 1992年上智大学毕业后,加入日本银行。 2003年4月加入摩根大通银行,先后在研究与统计部、国际部外汇部、纽约办事处工作。他的著作包括“通货膨胀真的会增加我们的收入吗?”和“疲软的日本强势日元”。
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