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概要:平田紀之 [東京 20日 ロイター] - 来週から発表が本格化する今期9月中間決算では、通期業績見通しに対する進捗率に注目が集まっている。年度後半の景気後退への懸念が高まる中、進捗率が高ければ、業績
平田紀之
[東京 20日 ロイター] - 来週から発表が本格化する今期9月中間決算では、通期業績見通しに対する進捗率に注目が集まっている。年度後半の景気後退への懸念が高まる中、進捗率が高ければ、業績下振れへのバッファー(緩衝材)になると見込まれるからだ。上方修正を見送ったとしても、業績上振れへの思惑につながるとみられている。
リフィニティブのデータによると、プライム市場に上場し10人以上のアナリストがカバーする3月期決算企業約130社の業績では、第1四半期営業利益の進捗率は約50社が25%以上となっている。期初の段階で、世界的なインフレや金融引き締め、ウクライナ危機などの不透明要因から見通しを慎重に設定した分、進捗率が高くなっている面もあるが、業績が堅調の企業も少なくない。
JR西日本は、第1四半期営業利益の進捗率が65%で、第2四半期の市場予想を加えた上期の進捗率は103%となり、上期時点で会社側の通期見通しを上回る可能性があるとみられている。 同社の業績について、SMBC日興証券の川嶋宏樹シニアアナリストは、新幹線などを中心に順調に需要が回復しており、下期も「大規模な行動制限がないようなら、会社計画に対し強含むだろう。今後も株価は堅調に推移しそうだ」と話す。 ただ、JR各社を比べると、西日本は通期の営業利益について、コロナ禍前の2019年3月期に比べ8割減程度にとどまると期初時点で予想。5―7割減の予想としたJR東海やJR東日本に比べ、保守的な見通しとなっていたことが、進捗率が高い要因の可能性もある。
第1四半期の進捗率が44%だったバンダイナムコホールディングスは、前期に発売した家庭用ゲーム機用ソフト「エルデンリング」が貢献し、第1四半期業績が上振れた。中間決算見通しを上方修正したが「第2四半期もユーザー獲得が進んでおり上振れが確実とみる。米国やアジアで『機動戦士ガンダム』シリーズのプラモデル販売も好調で、通期も上方修正含み」と、東洋証券の安田秀樹シニアアナリストはみている。 住友化学や東レといった化学メーカーも上位にランクインした。産業界ではインフレによる業績圧迫が懸念されるが、上流の企業ほど値上げが進む傾向が見られ、化学メーカーは堅調な業績が見込まれるという。 春先の原油高を受け、期初時点ではコスト増を過度に織り込んでいた可能性があるといい「第1四半期は中国のロックダウン(都市封鎖)で売り上げが伸び悩んだ企業もあり、価格転嫁の効果は第2四半期により強く出るのではないか」(しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹運用本部長)との見方もある。
一方、海運業界は、日本郵船など主要3社が上位に入ったが、先行きに慎重な見方もある。高騰していたコンテナ運賃が下落基調にあり「1株あたり利益(EPS)が伸び悩む可能性があり、これまでのようには儲からないかも知れない」(別の国内証券のストラテジスト)との声が聞かれる。 欧米の金融引き締めによる世界景気後退への警戒感がくすぶる中では「なかなか楽観的になれず、企業の予想も保守的になりやすい」(ピクテ・ジャパンの糸島孝俊ストラテジスト)とみられ、中間決算後の進捗率は例年より高くなる可能性がある。
中には、上期に売り上げや利益が集中しやすい業界や個別企業もある。ただ、一般的に上期の進捗率が高ければ、業績下振れに対するバッファーになる。「期末にかけては業績に上振れ余地があるとの思惑が出やすい」(ニッセイ基礎研究所の井出真吾チーフ株式ストラテジスト)とされ、決算シーズンでは注目が集まりやすい。
◎3月決算企業の営業利益進捗率での上位銘柄
社名 コード Q1進捗 H1進捗 騰落率 通期乖離
1 西日本旅客鉄道 65.1 103.8 21.1 -48.1
2 バンダイナムコHLDG 44.3 82.2 0.2 -26.7
3 野村不動産HLDG 41.2 59.0 5.9 -2.5
4 スズキ 38.2 74.3 7.6 -30.7
5 住友化学 36.8 63.5 -2.2 -8.9
6 東レ 36.3 55.4 1.6 1.5
7 日本郵船 35.6 63.3 -23.9 -5.4
8 オリエンタルランド 33.9 75.0 0.8 -45.9
9 商船三井 33.7 70.4 -18.0 -10.0
10 川崎汽船 33.1 67.6 -30.0 -15.0
11 第一三共 32.7 60.3 23.5 -12.1
12 日産化学 31.3 52.1 1.7 -4.2
13 三井化学 31.1 54.0 1.1 0.9
14 ダイキン工業 30.8 63.0 -5.5 -7.6
15 セイコーエプソン 30.6 56.8 3.1 -0.7
15 住友不動産 30.6 56.4 0.7 -0.9
17 信越化学工業 30.2 59.5 -6.1 -4.1
18 キッコーマン 29.7 56.4 3.0 -4.5
19 ローム 29.6 61.1 0.5 -11.2
20 ヒロセ電機 29.4 59.6 4.8 -6.7
21 武田薬品工業 28.9 53.8 -5.1 -12.9
22 東海旅客鉄道 28.8 58.6 15.3 -15.4
22 日本電信電話 28.8 58.2 6.3 -1.5
24 日本特殊陶業 28.7 58.4 4.1 -6.4
24 三菱地所 28.7 48.1 0.1 -0.7
26 新光電気工業 27.9 52.1 -5.7 0.8
26 三菱自動車工業 27.9 57.1 12.4 -17.4
26 ニコン 27.9 45.8 -9.1 -5.5
29 ZOZO 27.7 51.2 8.5 -5.4
30 いすゞ自動車 27.3 52.4 14.5 -11.5
(リフィニティブデータに基づきロイターが作成)
*3月期決算企業で10人以上のアナリストが予想し、通期予想を開示している企業を対象とし、第1・四半期(Q1)営業利益進捗率の上位30銘柄を抽出。「H1進捗」はQ1実績とQ2のアナリスト予想を合算した上期(H1)の進捗率(%)、「株価騰落」はQ1決算発表の前日終値から19日までの株価の騰落率(%)、「通期乖離」は通期見通しに関する市場予想からの会社予想の乖離率(%)。
(平田紀之 編集:伊賀大記)
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