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概要:足元でドルが変調を来し、米連邦準備理事会(FRB)が利上げペースを緩める可能性が浮上しているが、投資家は持続的なドル安に賭けるのをためらっている。
[ニューヨーク 1日 ロイター] - 足元でドルが変調を来し、米連邦準備理事会(FRB)が利上げペースを緩める可能性が浮上しているが、投資家は持続的なドル安に賭けるのをためらっている。
11月1日、足元でドルが変調を来し、米連邦準備理事会(FRB)が利上げペースを緩める可能性が浮上しているが、投資家は持続的なドル安に賭けるのをためらっている。
主要6通貨に対するドル指数は最近の下げ局面で、9月終盤につけた20年ぶり高値の114.778から最大で4.6%落ち込み、昨年7月以来約15カ月ぶりの急落を記録。米商品先物取引委員会(CFTC)の直近データに基づくと、通貨先物市場のドル買い持ち規模も113億ドルと3月以降で最低水準に縮小した。
過去20カ月で20%というハイペースだったドル高の反転は、米企業から日銀まであらゆる方面に安心感を与えそうだ。日本政府・日銀は急速な円安を食い止めようと先月に430億ドル規模の為替介入を実施していた。
しかし多くの投資家は、持続的なドル安に向かう環境はまだ整っていないと考えている。その一因は、なおしばらく米国の金利が他の先進国より高い状態が続く公算が大きいという点にある。
UBSグローバル・ウエルス・マネジメントの米州資産配分責任者ジェーソン・ドラホ氏は「今の動きは相場の転換点というよりスピード調整の側面が強いと思う」と述べた。
今年はこれまで、FRBのタカ派姿勢や欧州エネルギー危機、英国の政局混乱、日銀の超金融緩和継続といった材料が重なってドル高が進行した。ただ最近は、欧州の天然ガス価格が軟化してユーロを押し上げ、英国でも新政権発足でポンドは安定化するなど状況が変わってきている。
ドルの反落と軌を一にして、米国株と米国債も値上がり。これはいずれもFRBが利上げのスピードを緩めるのではないかとの期待に基づく現象だ。FRBは今年に入り、合計300ベーシスポイント(bp)の利上げを実施して株価や債券に打撃を与える一方、ドルを他通貨より魅力ある存在にしてきた経緯がある。
とはいえ今年の場合、FRBがインフレ退治姿勢を弱めると期待して取引するのは危険が伴う。このためアムンディUSの債券・通貨戦略ディレクター、パレシュ・ウパダヤ氏のような投資家は、ドル高局面の終了を宣言することには慎重になっている。
ウパダヤ氏は「この半年で少なくとも3回、市場はFRBの大々的な政策転換を見込んだ結果、全て失望を味わった」と指摘する。
ジェフリーズのグローバルFX責任者ブラッド・ベクテル氏は、2日までの米連邦公開市場委員会(FOMC)でFRBのタカ派度が後退する兆しが出てくればドルが1─2%下押される可能性はあるものの、それは一時的な値動きにとどまりそうだとみている。
年末にかけてドルは強含みで推移すると想定しているベクテル氏は「FRBはまだ利上げを続けている段階にあり、翌日物金利は依然としてG10の最高水準グループに属している」と述べた。
同時に、もしもFRBが利上げペースを緩めれば、他の中銀も追随してもおかしくない。つまり金利差の面で米国とドルの比較優位は変わらなくなる。実際、カナダやオーストラリアの中銀は既に利上げ幅を縮小している。
UBSのドラホ氏は「FRBが(引き締め姿勢を)後退させれば、(他の中銀も)後退できるようになる」と語り、向こう数カ月でドルはさらに強くなると予想した。
<乱高下も>
もちろんドルの強気見通しに痛手となりそうな要素も幾つかある。米国で物価上昇率が急速に下振れるか、景気が一気に落ち込むようならFRBの利上げ路線は妥当性が損なわれ、ドルを圧迫するかもしれない。
ユーロがこのところの対ドルでの上昇分を維持できるかどうかは、欧州のエネルギー価格動向が特に重要な役割を果たすだろう、とニューバーガー・バーマンの通貨運用責任者ウーゴ・ランチオーニ氏は説明する。
ランチオーニ氏によると「今のところ欧州の天候は非常に穏やかだ。冬がやってくるのは明らかで、問題は(エネルギー)価格が現状の低さにとどまれるかだ」という。
またドルが約20年ぶりの高値で取引されている以上、さらにドルが上がればボラティリティーも高まるとの声が聞かれる。
ランチオーニ氏は「われわれは上下双方向により振れやすくなる場面に入りつつあると思う」と話した。
(Saqib Iqbal Ahmed記者)
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