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概要:エジプトで開催中の第27回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP27)では、2030年までに森林破壊を終わらせるという昨年の合意に沿った取り組みを加速するよう各国首脳が求めている。こうした動きを促進する新グループの創設や、新たな資金提供の約束など一定の進展があった。
[ロンドン 11日 トムソン・ロイター財団] - エジプトで開催中の第27回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP27)では、2030年までに森林破壊を終わらせるという昨年の合意に沿った取り組みを加速するよう各国首脳が求めている。こうした動きを促進する新グループの創設や、新たな資金提供の約束など一定の進展があった。
11月11日、エジプトで開催中の第27回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP27)では、2030年までに森林破壊を終わらせるという昨年の合意に沿った取り組みを加速するよう各国首脳が求めている。写真はコンゴ・ムバンダカ近郊の森。2018年4月撮影(2022年 ロイター/Thomas Nicolon)
しかし、環境保護団体のクライメイト・フォーカスは10日公表したリポートで、世界で2番目に大きい熱帯雨林を抱えるアフリカ中央部の「コンゴ盆地」について、南米のアマゾンより広大な手付かずの森を有するが昨年は森林破壊が5%増加したと指摘。保護のための取り組みが急務だと訴えた。
COP27では、英国がコンゴ盆地保護のために9000万ポンド(1億0600万ドル)の資金提供を約束した。
シニアコンサルタントのマリオン・フェラ氏は電話インタビューで、約束は心強いが「現場に届く資金が必要だ」と指摘。約束の多くは「非常にレベルが高い」が、具体的な目標やその実現に向けた仕組みを欠いていることが多いと苦言を呈した。
自然保護活動家は、コンゴ盆地の「二酸化炭素(CO2)吸収源」としての役割が過小評価されていると訴えている。
セントラル・アフリカン・フォーレスト・イニシアティブによると、分厚い熱帯泥炭地を持つコンゴ盆地が毎年大気中から吸収するCO2は世界全体の排出量の4%ほどにも上る。
<伐採・採掘の危機>
コンゴ盆地はコンゴやカメルーンなど6カ国にわたって広がっている。世界自然保護基金(WWF)によると、その熱帯雨林には7500万人余りが暮らし、1万種類以上の植物が育ち、マウンテンゴリラなど絶滅の恐れがある動物も生息している。
WWFの中央アフリカ森林プログラム・コーディネーター、ベルモンド・チョンバ氏は「コンゴ盆地はこの地域や国々の経済にとって重要なだけでなく、地球温暖化に対抗する可能性を備えていることがはっきりしている」と話す。
クライメイト・フォーカスのリポートによると、コンゴ盆地の熱帯雨林が守られているのは、低い人口密度、不安定な政治、民間投資家にとってのインフラ不足や高いリスクなど受動的な要因が理由であり、保護に向けた積極的な取り組みによるものではない。
他の熱帯雨林が鉱業や農業などの産業活動によって著しく破壊されているのに対して、コンゴ盆地の森林破壊は大半が小規模な「自給自足農業」によるものだが、こうした状況は変化する可能性があるとリポートは警鐘を鳴らした。
大きな脅威となっているのが、化石燃料の探査や違法な木材伐採、コバルトなど豊富な希少金属の採掘だ。こうした金属は一方で、再生可能エネルギーへの移行に不可欠な材料でもある。
レインフォーレスト・ファウンデーションUKとアース・インサイトが今週発表した新たな分析で、コンゴ盆地の3分の1余りが既に着手済みもしくは計画中の石油・ガスの探査・生産地域と重なることが明らかになった。
野生生物保護協会(WCS)のエグゼクティブ・バイスプレジデント、ジョー・ウォルストン氏は「世界はコンゴ盆地のある国々が手付かずの森林を保護できるように、十分な注意を払ったり、十分に資源を投じたりしていない」と訴えた。
国連のREDD+のような仕組みは最近の森林破壊への対応に重点が置かれ、コンゴ盆地のような地域への資金提供が少ない。「手付かずの森林は非常に危険な状態にある。世界が対応に動くのは長年にわたって伐採され始めた後だ」と対応の遅れを批判した。
<防戦一方>
アナリストによると、根本的な課題はコンゴ盆地の経済開発を、生態学的に持続可能な形で実現することだ。
この地域で最も人口の多いコンゴ民主共和国は貧困率が高く、政府が石油の生産量を増やそうとしているため、とりわけ状況が厳しい。
トロピカル・フォレスト・アライアンスのエグゼクティブディレクター、ジャック・ハード氏は「森林保全により生じる機会損失は、森林の代替利用を考えると非常に高い」と言う。
望ましい行動を促すためには多額の資金が必要なほか、強固な規制や地元の熱帯雨林管理能力など、持続可能な開発のための仕組みを作るための時間も要する。「生態系全体に目を向けない限り、保護区内で何かが起こらないように防戦するだけになる」と述べた。
こうした持続可能な開発のモデルは、コンゴ盆地を構成する人口が少ない国、ガボンにあるかもしれない。クライメイト・フォーカスのレポートによると、ガボンは昨年に森林破壊が28%減少した。
環境保護団体、ネイチャー・コンサーバンシーのガボン担当ディレクター、マリークレール・パイズ氏によると、厳しい森林管理基準が効果を上げた。
だが、ガボンでもコミュニティーが自然保護から恩恵を得られなければ緊張が高まる可能性があり、特に同国は主要な収入源である石油産業の縮小を余儀なくされているだけに、リスクがあるとパイズは指摘する。
「私たちは今ある森林を維持し、その国の経済を完全に支える方法を考えなければならない。そうでなければ世界はその代償を払うことになる」とパイズ氏は語った。
(Jack Graham記者)
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