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概要:2023年の米経済は大幅なブレーキがかかり、ドル/円は円高方向に進みやすいというのが、市場参加者の多数意見のようだ。この場合、黒田東彦総裁からバトンを受け継ぐ新総裁にとって政策修正のハードルは上がるだろう。
[東京 8日 ロイター] - 2023年の米経済は大幅なブレーキがかかり、ドル/円は円高方向に進みやすいというのが、市場参加者の多数意見のようだ。この場合、黒田東彦総裁からバトンを受け継ぐ新総裁にとって政策修正のハードルは上がるだろう。
2023年の米経済は大幅なブレーキがかかり、ドル/円は円高方向に進みやすいというのが、市場参加者の多数意見のようだ。この場合、黒田東彦総裁からバトンを受け継ぐ新総裁にとって政策修正のハードルは上がるだろう。写真はイメージ。2017年6月撮影(2022年 ロイター/Thomas White)
だが、米景気はメーンシナリオに反して粘るのではないかと筆者は考えている。その場合は米連邦準備理事会(FRB)の利上げが継続し、ターミナルレート(政策金利の最終到達点)が引き上がれば、円安傾向が持続して日本の消費者物価指数(CPI)上昇を継続させ、日銀の政策修正の可能性が高まる。来年の米経済の動向は、日本経済と金融政策の行方を今まで以上に大きく左右する。
<市場の多数派、来年の米利下げ織り込み>
経済協力開発機構(OECD)が11月22日に公表した世界経済見通しでは、23年の米国の成長率は22年見通しの1.8%から0.5%に急減速する。市場参加者の一部は、23年のどこかでマイナス成長に転落し、同年秋ごろに利下げに転じると予想している。
そのケースでは、外需に依存する日本経済は世界経済の後退色を受けて調整局面入りし、市場では政府による財政支援を予想する声が広がるだろう。金融面では、日銀の超緩和策の維持を求める声が政府・与党から出て、新総裁が現行の超緩和政策を修正する余地は大幅に狭まりそうだ。
<想定以上に強い米経済、1.5兆ドルの余剰貯蓄>
ただ、一部の市場参加者が「鉄板」と思っている米景気後退の可能性は本当に確実なのだろうか。米アトランタ地区連銀が6日に公表した「GDP NOW」では、今年第4四半期成長率は3.4%と算出された。
また、今までのところ年末商戦の売れ行きは好調で、個人消費に陰りは見えていない。この背景には、新型コロナウイルス対策で米政権が支出した給付金などの財政支援によって、1.5─1.7兆ドル規模とみられている米家計の余剰貯蓄の存在がありそうだ。また、足元で堅調な動きを示す米株価が、個人の消費マインドをサポートしている面も見逃せない。
堅調な個人消費の影響を受け、米CPIがFRBの思惑通りに低下しない可能性が来年前半に高まるのではないか、と筆者は予想する。12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.50%の利上げが決まった後、2月と3月に0.5%の利上げが実施されそうだとの思惑が浮上すれば、ドル/円は円高回帰ではなく、円安方向への動きを再び始める可能性がある。
<円安ならCPI4%超の上昇も>
なぜ、円安の動きが重要かと言えば、足元におけるCPI上昇は川上の企業物価における輸入物価の大幅上昇の影響を強く受けているからであり、円安傾向が持続すれば、CPI上昇の勢いが継続しかねないためだ。
11月全国CPIは今月23日に発表されるが、11月東京都区部CPIの結果を見ると、コアCPI(除く生鮮食品)が前年比4%の上昇になる可能性もある。民間エコノミストの間では、12月のコアCPIが4%上昇になっているのは確実だとの予測が増えている。
日銀は2023年度のコアCPIの上昇率が1.6%に減速すると予想している。だが、円安傾向が継続する展開になれば、その見通し通りに展開しない可能性が高まる。帝国データバンクによると、来年2月の食料品値上げ計画は今の段階で4000品目を超えている。企業の値上げに対する抵抗感は、全くなくなってしまったと言っていいだろう。
一方、日銀が重視する賃上げに関しても、連合は5%を目標に設定。政府も「物価上昇に負けない賃上げ」を支援する方針を松野博一官房長官が表明している。
<広がる日銀の選択肢>
もし、来年前半のCPI上昇率が3%から4%台で推移した場合、日本の利回り曲線(イールドカーブ)の形状は、10年超を中心に上がり出すだろう。
このケースでは、新総裁が何らかの政策修正に乗り出す可能性が高まると筆者は予想する。
「為替は金融政策の目的ではない」「米国は自国の物価と雇用の安定のために適切な政策運営に努めている」というのが日銀の立場だが、来年の日銀の金融政策の展開を予想する上で、FRBの利上げ方針の動向とその影響を強く受けるドル/円の水準は、非常に大きな影響を持つ変数として注視するべきだろう。
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