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概要:日本株の物色傾向が逆転している。日銀のサプライズ政策修正で円金利が上昇し急激な円高が進行。輸出株が売られる一方、銀行株が買われた。「ショック」による短期的な動きである可能性もあるが、日本株全体としては円高はマイナスとみられており警戒感は強い。
[東京 22日 ロイター] - 日本株の物色傾向が逆転している。日銀のサプライズ政策修正で円金利が上昇し急激な円高が進行。輸出株が売られる一方、銀行株が買われた。「ショック」による短期的な動きである可能性もあるが、日本株全体としては円高はマイナスとみられており警戒感は強い。
12月22日、日本株の物色傾向が逆転している。日銀のサプライズ政策修正で円金利が上昇し急激な円高が進行。輸出株が売られる一方、銀行株が買われた。写真は東京都内の日銀本店。6月17日撮影(2022年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)
<銀行株に収益改善期待>
銀行株は20日と21日の2日間で7.9%高となった。個別では、三菱UFJフィナンシャル・グループが10.1%、三井住友フィナンシャルグループが9.7%、みずほフィナンシャルグループが6.3%、それぞれ上昇した。
買い材料は利ざやの改善期待だ。日銀による長期金利の許容変動幅拡大で10年債は21日に0.48%と約7年半ぶりの水準まで上昇。銀行は低い短期金利で資金を調達し、高い長期金利で貸し出しや運用を行うため、収益改善が見込まれている。
銀行業界は、日銀の低金利政策で苦しい収益環境が続いていた。マイナス金利解除まで視界に入れれば収益改善期待はさらに高まる。SMBC日興証券の佐藤雅彦シニアアナリストは20日付のレポートで、円債利回り上昇の銀行業績への波及経路は債券経由の影響が主になると指摘した。円債利回り25ベーシスポイントの上昇で各行の1株当たり純利益(EPS)に平均5%程度のプラス効果が見込めるという。
ただ、銀行にとって金利上昇は、保有債券の含み損の拡大要因でもある。日銀が政策修正を拡大し、金利がさらに上昇するような局面となれば、バーゼル銀行監督委員会の規制対象となる自己資本比率の低下への思惑にもつながりかねない。SMBC日興の佐藤氏は「円債・外債の含み損増加が実質の自己資本比率に影響を与えれば、減配などの還元後退にも留意したい」としている。
<想定レート下回るドル/円>
この間に、ドル/円は137円付近から一時130円台へと急落。円高メリットを受ける銘柄も人気化した。ニトリホールディングスやニチレイ、日清製粉グループ本社などは上昇。円高で輸入コストが減少するとの期待が買い材料となった。
一方、円安による収益押し上げ期待が剥落しているのが自動車などの輸出関連株だ。直近2日間の下落率は、輸送用機器が5.5%、電気機器は4.5%、機械は3.2%となった。
国内自動車企業は、春先からの円安進行による為替差益の業績寄与を織り込んで、マツダや三菱自動車、SUBARUなどが通期業績予想を上方修正。前提となる為替レートも上方修正していた。
ドル/円の想定為替レートは中間決算時点で、トヨタ自動車とホンダ、日産自動車が135円、マツダが136円、三菱自動車工業が134円、SUBARUが133円と、いずれも足元の実勢レート132円付近を上回る。
国内自動車メーカーは、欧米の景気懸念が高まる中にあっても受注残を抱えている状態で「半導体不足が改善し、生産が順調なら、目先の販売は堅調だろう」と、東海東京調査センターの杉浦誠司シニアアナリストは見通す。一方、為替の面では、今期は4―12月期の円安で「貯金」があるが「来期は円高となれば減益要因になりかねない」(杉浦氏)という。
銀行株高や輸出株安といった市場の初期反応は、日銀ショックで短期的に増幅された可能性もあると、三井住友DSアセットマネジメントの市川雅浩チーフマーケットストラテジストは指摘する。ただ、全体相場にとって円高はやはりマイナスだとし、日銀が出口に向かう中では「これまでのような円安への回帰は想定しにくく、株価の上値を抑える要因になりそうだ」とみている。
(平田紀之 編集:伊賀大記)
◎主なセクターと銘柄の20―21日の騰落(%)
銘柄 2日間の騰落
.IBNKS.T 銀行業 7.9
.IINSU.T 保険業 4.6
.IRLTY.T 不動産業 -6.3
.IRETL.T 小売業 -0.9
.IFOOD.T 食料品 -1.1
.ITEQP.T 輸送用機器 -5.5
.IELEC.T 電気機器 -4.5
.IMCHN.T 機械 -3.2
8306.T 三菱UFJ FG 10.1
8316.T 三井住友FG 9.7
8411.T みずほFG 6.3
9843.T ニトリHLDG 4.9
2871.T ニチレイ 4.3
2002.T 日清製粉グループ本社 3.7
8802.T 三菱地所 -6.3
8801.T 三井不動産 -9.4
7203.T トヨタ自動車 -5.3
7267.T ホンダ -5.6
7201.T 日産自動車 -8.3
7261.T マツダ -7.4
7211.T 三菱自動車工業 -11.3
7270.T SUBARU -8.4
6752.T パナソニック HLDG -5.4
6503.T 三菱電機 -1.5
6506.T 安川電機 -3.9
6103.T オークマ -5.3
*リフィニティブデータに基づきロイター作成
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