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概要:2023年の外為市場は、米ドル一強の構図に変化が生じそうだ。米連邦準備理事会(FRB)による連続利上げの停止で、ドル高の推進力だった米金利上昇が頭打ちとなる見通しが強まっているためだ。円は日銀の金融緩和政策の修正観測による上昇圧力と、金利差に着目した下落圧力が交錯するとみられている。
[東京 1日 ロイター] - 2023年の外為市場は、米ドル一強の構図に変化が生じそうだ。米連邦準備理事会(FRB)による連続利上げの停止で、ドル高の推進力だった米金利上昇が頭打ちとなる見通しが強まっているためだ。円は日銀の金融緩和政策の修正観測による上昇圧力と、金利差に着目した下落圧力が交錯するとみられている。
东京(路透社)——2023 年,外汇市场的美元构成可能会发生变化。这是因为美国联邦储备委员会(frb)已停止连续加息,而一直是美元走强背后推动力的美国利率上升见顶的可能性越来越大。预计日元将面临来自日本央行修订货币宽松政策预期的上行压力和利差带来的下行压力。
2023年の外為市場は、米ドル一強の構図に変化が生じそうだ。
2023年的外汇市场,美元的构成很可能发生变化。图为日元纸币。照片摄于 2022 年 6 月(2023 reuters/florence lo)
市場関係者の見方は以下の通り。
以下是市场参与者的观点:
●ドル安主導で下方向、日銀は金融政策正常化の検討も
美元走弱带动下行趋势,日本央行也在考虑货币政策正常化
{7}
<三菱UFJ銀行 チーフアナリスト 井野鉄兵氏>
{7}
米国の金融政策は、しばらくの間高水準の金利が維持されるものの、年末には利下げに転じる可能性がある。このため、ドル安主導で、ドル/円は下方向に向きやすい。
美国货币政策将在一段时间内将利率维持在高位,年底可能转向降息。因此,美元/日元汇率可能会在美元走软的带动下走低。
22年12月の日銀金融政策決定会合で、イールドカーブ・コントロール(長短金利操作、YCC)の運用調整との説明があったが、金融政策正常化に向けた第一歩とみている。新執行部となった後は、本格的に金融政策の正常化を検討することになりそうだ。
在2010年12月的日本央行货币政策会议上,解释说这是对收益率曲线控制(yield curve control,ycc)的操作调整。成为新任执政官后,政府很可能会认真考虑货币政策正常化的问题。
内外金融政策格差の縮小は日米双方の要因によって起こるとみられ、ドル安かつ円高となりやすい。ただ、日本当局としては円高進行についてはナーバスになるとみられ、コミュニケーションは慎重に取っていくだろう。
国内外货币政策差异的缩小,很可能是日美两国因素共同作用的结果,美元走弱、日元升值的可能性很大。不过,日本当局很可能对日元升值的进展感到紧张,与他们的沟通会比较谨慎。
日本の貿易収支は黒字が見込めないことから、ドルの下支え要因となる。機関投資家による外債投資については、日銀に動きがあったことから、今後方針が変わる可能性がある。
由于日本的贸易收支不太可能出现亏损,这将支撑美元。对于机构投资者的海外债券投资,未来政策可能会因日本央行的动向而发生变化。
リスクシナリオとしては、日米双方で金融政策の転換が思いのほか早まることだ。日銀の金融政策の正常化が早まるほか、米国の景気が想定よりも悪化するなど、早期の利下げ期待が高まった場合、急速にドル安/円高が進行するだろう。
风险情景是日本和美国都将比预期更快地改变货币政策。如果日本央行货币政策正常化提前,美国经济恶化程度不及预期,提早降息的预期上升,美元将贬值,日元将迅速升值。
ドル/円の予想レンジ:120─142円
美元/日元预期区间:120-142日元
●米金利低下でドル120円台へ、日銀政策修正期待の円高は続かず
美国降息将推动美元兑日元升至120水平,预计日本央行将调整政策,日元不会继续升值。
<大和証券 シニア為替ストラテジスト 多田出健太氏>
今回の日銀の政策修正は出口戦略の開始ではなく、短期金利や長期金利の引き上げには高いハードルがある。円金利の一段の上昇は見込めず、日銀金融政策を要因に中長期的にドル/円が下落するとの展開はリスクシナリオにとどまる。
日本央行此次政策调整并非退出策略的开始,短期和长期利率上调都存在较大障碍。日元利率进一步上升的预期不大,日本央行货币政策导致美元兑日元中长期贬值的发展仍存在风险。
政府と日銀が共同声明を見直すとの報道も見られる。今後、物価目標のあり方も含めて見直される可能性はあるが、大規模緩和による経済の押し上げ効果が小さくなれば、ドル/円への影響は、短期金利上昇と景気後退懸念という強弱が入り混じるものとなる。
还有报道称,政府和日本央行将审查联合声明。未来有重新审视物价目标的可能,但若大规模宽松对经济的提振作用减弱,对美元/日元的影响喜忧参半,短线加息和市场担忧经济衰退,成为现实。
予想外の日銀政策修正により、市場では海外勢を中心に、更なる修正の思惑が高まる展開となりやすく、短期的には円高に振れやすい。しかし、早期修正は見込みづらいため、ドル/円に対する日本要因の影響力は徐々に薄れ、米金利の低下など従来の相場変動要因に焦点が移っていくと見ている。
由于日本央行政策意外修改,市场尤其是海外玩家对进一步修改的猜测可能会增加,短期内日元将趋于升值。但由于难以预期提前回调,日本因素对美元/日元的影响将逐渐消退,焦点将转向美国利率下降等常规市场波动因素。
その米金利は2023年、徐々に低下していくとの見通しに変わりはない。年後半には利下げを想定しており、ドルは120円台の定着に向けて下落していくと予想する。
美国利率在 2023 年逐渐下降的前景保持不变。下半年降息有望,美元有望向120日元水平贬值。
ドルの予想レンジ:120─140円
美元预期区间:120-140日元
●円キャリートレード再来、ドルは目先反発余地
日元套利交易重现,美元近期有反弹空间
{24}
<JPモルガン証券 為替ストラテジスト 中村颯介氏>
{24}
2022年のドル/円は、米国のターミナルレート見通しと日米金利差に沿った動きが続いたが、今後もこれらは最も重要なドライバーとなる。2023年の米国はマイルドリセッション入りを見込んでおり、米金利の低下に沿ってドル/円は下落基調を辿る可能性が高いとみている。
2022 年,美元/日元汇率继续与美国终端利率前景和美日利差保持一致,这将继续成为未来最重要的驱动因素。预计美国将在 2023 年进入温和衰退,美元/日元可能跟随美国利率下行的下行趋势。
ただ、円高は循環的・構造的要因である程度制約されるかもしれない。日本の政策金利引き上げはかなり先のこととなり、円キャリートレードがより広がる可能性があること、過去最高水準に膨らんだ貿易収支の赤字基調が続きそうなことーーなどがある。
但日元升值可能在一定程度上受到周期性和结构性因素的制约。由于日本政策性加息时间遥远,日元套利交易有进一步扩散的可能,贸易收支逆差扩大至历史新高的趋势可能会持续。
日銀の政策修正後、円金利と米金利がともに上昇したため、日米10年債の金利差はあまり縮小しなかった。金利差の観点だけで言えば、目先のドル/円は反発余地があるとみている。
日本央行修改政策后,日元和美国利率双双上升,因此日美10年期国债利差并没有缩小多少。单从利差来看,我们认为美元/日元短期内还有上涨空间。
ドルの予想レンジ:130─140円
美元预期区间:130-140日元
●国力の弱さが露呈、スタグフレーション懸念から円売り
国力疲软暴露 滞胀担忧抛售日元
{31}
<三井住友銀行 チーフストラテジスト 宇野大介氏>
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2023年は日本売り・円売りが主要テーマになるとみている。食料や資源を持たざる国・日本の弱さが露呈し、本格的なインフレはこれから起きる可能性が高い。
2023年,我们认为抛售日本、抛售日元将是主旋律。没有粮食和资源的日本的弱点将暴露出来,未来发生全面通货膨胀的可能性很高。
政府は大規模な財政出動を控える他の主要国と逆行し、大型総合経済政策を決定するなどインフレの素地を作っている。日銀に依存した財政ファイナンスが拡大すれば、財政規律の緩みも問題視される。
政府正与其他主要国家避免大规模财政刺激措施作对,并通过决定大规模的综合经济政策为通货膨胀做准备。如果对日本央行的财政融资依赖扩大,财政纪律的放松也将成为一个问题。
成長率が脆弱な国において、日銀が事実上の利上げに動いたため、スタグフレーション懸念が強まり、円は売られやすい。米国のインフレが落ち着くことは見通せず、再び金融引き締めが強化されれば、ドル買い/円売りの副次的な要因として効いてくるだろう。
在增长率脆弱的国家,日本央行实际上采取了加息行动,引发了对滞胀的担忧,并使日元更容易被抛售。美国通胀不太可能稳定下来,如果货币紧缩再次加强,它将成为美元买入/日元卖出的次要因素。
ドル/円の予想レンジ:120─160円
美元/日元预期区间:120-160日元
*12月23日までの取材に基づいています。
* 基于截至 12 月 23 日的采访。
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