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概要:米マイクロソフト(MS)の昨年10―12月期売上高は前年同期比2%増とおよそ5年ぶりの低い伸びにとどまった。これはIT業界全体に警鐘が鳴らされつつあるということだ。新型コロナウイルスのパンデミック中に過大投資をした顧客は、財布のひもを引き締めている。MSの「基幹製品」といえども、その影響は免れない。まして裁量的な支出により左右されやすい製品を提供している他のIT企業の前途には暗雲が垂れ込めている。
1月24日、米マイクロソフト(MS)の昨年10―12月期売上高は前年同期比2%増とおよそ5年ぶりの低い伸びにとどまった。
[ニューヨーク 24日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 米マイクロソフト(MS)の昨年10―12月期売上高は前年同期比2%増とおよそ5年ぶりの低い伸びにとどまった。これはIT業界全体に警鐘が鳴らされつつあるということだ。新型コロナウイルスのパンデミック中に過大投資をした顧客は、財布のひもを引き締めている。MSの「基幹製品」といえども、その影響は免れない。まして裁量的な支出により左右されやすい製品を提供している他のIT企業の前途には暗雲が垂れ込めている。
MSが誇る1兆8000億ドルという驚くべき時価総額は、同社が1986年の株式公開以降いかに急速かつ安定的に成長を遂げてきたかを物語っている面が大きい。この間、4四半期移動平均の売上高伸び率がマイナスとなった局面はわずか2回。最初は2009年の大不況(グレート・リセッション)の後、次はサティア・ナデラ最高経営責任者(CEO)が同社を定額利用のサブスクリプション(サブスク)サービス主体に転換して一時的に収入が打撃を受けた時期だ。
確かにMSの10―12月期売上高はなお527億ドルに達している。同社の生産性管理ソフトは、事務職従事者の間では依然として標準の製品でもある。さらに各企業は同社のクラウドサービス「アジュール」に、より多くのデータやアプリを移管している。実際10―12月にアジュールの売上高は31%増加し、当面この流れが続くのは間違いない。
1つ難点としては、企業や消費者が近年、在宅勤務の環境確保に向けて多額のハイテク投資をしてしまったという事情が挙げられる。つまり本来の支出が前倒しされ、現在の関連製品・サービスの販売減速につながっている。例えばパンデミック中にパソコン(PC)の売上高が急増したが、通常なら4-5年は使われ続ける以上、ユーザーがすぐにPCを買い換える公算は乏しい。調査会社ガートナーによると、10―12月期のPC出荷は約30%減と、過去最大の落ち込みを記録した。MSが基本ソフト(OS)「ウィンドウズ」の搭載によってPCメーカーから得た収入も39%減少した。
より全般的に見ても、経営者は実体経済の鈍化ないし縮小を心配している。特にハイテク企業はコスト圧縮を狙って従業員の相当数を解雇しつつある。事務職従事者が少なくなれば、MSのサブスク利用件数も減少してしまう。また経費節減を目指す企業は、検討中のIT関連プロジェクトを先送りするか、白紙化するだろう。そうなるとMSで最も急成長しているアジュールなどの部門も痛手を受けそうだ。
ただMSの売上高頭打ちは、MSに比べれば必ずしも絶対必要と言えない製品を消費者や企業に販売している他のIT企業が恐らくより大きな問題に直面することを示唆している。ウインドウズのような基幹製品の需要冷え込みが感得されるなら、広告予算や華やかな新型スマートフォン、各種通信機器も同様だろう。メタ・プラットフォームズ、アップル、シスコシステムズといった企業が、これから次々に売上高を圧迫される場面を迎えるのではないだろうか。
●背景となるニュース
*マイクロソフトが24日発表した昨年第2・四半期(10―12月)売上高は527億ドルだった。前年同期比2%増は四半期ベースでは2017年4―6月以来の低い伸び。利益は164億ドル、1株当たり2.20ドルで、前年同期の188億ドルと2.48ドルを下回った。
(筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています)
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