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概要:通貨オプション市場で、円高に備える動きが続いている。日銀の追加政策修正観測はいったん後退したものの、3カ月物や6か月物でみれば、円高進行の可能性を依然として強く織り込んでいる水準だ。国内でもインフレが進んでいるほか、米利上げ停止観測が加わり、ドル/円の緩やかな下落を予想する声は根強い。
坂口茉莉子
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[東京 27日 ロイター] - 通貨オプション市場で、円高に備える動きが続いている。日銀の追加政策修正観測はいったん後退したものの、3カ月物や6か月物でみれば、円高進行の可能性を依然として強く織り込んでいる水準だ。国内でもインフレが進んでいるほか、米利上げ停止観測が加わり、ドル/円の緩やかな下落を予想する声は根強い。
1月27日、通貨オプション市場で、円高に備える動きが続いている。2022年6月撮影(2023年 ロイター/Florence Lo)
<4月以降のリスクリバーサルは円高予想維持>
1月の日銀決定会合での政策の現状維持を受けて、通貨オプション市場では、ドル/円リスクリバーサル(RR)の1カ月物の円コールのマイナス幅はマイナス1.0%付近と昨年12月の日銀決定会合の水準まで縮小した。
しかし、3カ月物や6か月物のマイナス幅はマイナス1.3%前後と依然深く、日銀の追加政策修正による円高進行を織り込んだままだ。
リスク・リバーサルは、コール・オプション(買う権利)とプット・オプション(売る権利)の価格を示す予想変動率の差をとっており、将来の為替相場の変動に対する市場参加者のリスク認識が、どちらの方向に偏っているかを示す。マイナス幅が深ければ、円高に備える動きが強まっているとみることができる。
1月のロイター調査では、回答した約4割のエコノミストが4月以降の年内に日銀が緩和縮小に踏み切ると予想した。「(オプションを)長く見れば見るほど、日銀の政策修正で円高に行く可能性を織り込んでいる」と、あおぞら銀行のチーフマーケットストラテジスト、諸我晃氏は指摘する。
<ボラティリティ予想も高水準>
ドル/円の1カ月物の予想変動率(インプライド・ボラティリティ、IV)は、短期的に大きく変動する可能性を依然示している。IVは市場が予想する今後1カ月間の変動を年率換算した値で、1月日銀会合前の16%後半から、12%後半とやや低下したが、高水準を維持している。
1カ月物のIVが12%というのは、約7割の確率で上下12%変動するという値であり、足元が1ドル130円とすれば、最大で145円もしくは115円程度まで振れる可能性を織り込んでいる計算となる。
1月の東京都区部消費者物価指数(生鮮食品を除く、コアCPI)は前年同月比4.3%上昇と、1981年5月以来の伸び率となった。「1月の全国CPIも上振れる可能性が高まり、日銀の政策修正を巡る思惑が強まった」(国内銀行)とされ、27日の市場で、ドル/円は一時129.65円付近まで下落した。
足元のドルは130円台では戻り売りが出やすい地合いが続いており、テクニカル的にもダウントレンドは継続している。みずほ銀行のチーフマーケットストラテジスト、鈴木健吾氏は、日銀新総裁体制下の政策修正期待は根強く、「目先のドル/円は上方向よりも下方向が攻めやすい」状況にあるという。
<米側のドル安・円高材料も>
足元で急激な円高が進むとの見方は少ない。昨年150円を超える円安が進行したことから、国内企業の間で円安への警戒感が強く、円高が進む局面で輸入企業がレバレッジを利かせたオプション使って為替予約を一定程度入れたとみられているためだ。「122─123円ではドル買いのオーダーが厚くなっている」(外銀)という。
ただ、ドル安・円高予想には米側の材料もある。米連邦準備理事会(FRB)の利上げ停止だ。1月31日─2月1日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ幅は0.25%に縮小され、今春には一時的な利上げ停止に関する議論が始まる可能性があるとの予想が多くなっている。
このため米金利に低下圧力がかかりやすくなっており、「ドルが買われるような地合いではない」と、クレディ・アグリコル銀行の資本市場本部シニア・アドバイザー、斎藤裕司氏は指摘する。「日銀関連材料が出れば円高に振れやすく、ドル/円は下落リスクの方が高い」という。
一方、米国でも賃金上昇を背景に粘着質なインフレが続いており、利上げ停止もしくは利下げに転換できるかは依然として不透明だ。
上田東短フォレックスの営業企画室室長、阪井勇蔵氏は「春先にかけて円高がピークとなるのではないか。ただ、長期的に円高が続くことは想定しにくく、米国のインフレの高止まりやFRBのタカ派姿勢が継続すれば、ドル高/円安トレンドに回帰する可能性は充分ある」との見方を示している。
(坂口茉莉子 編集:伊賀大記)
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