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概要:ユニクロの修理に特化したショップインショップ「RE.UNIQLO STUDIO(リ・ユニクロ スタジオ)」が3月17日にニューヨーク5番をはじめ米国内5カ所にオープンしました。ファストファッションの代名詞ともいえるユニクロがリペアサービスを提供し始めたことは、この業界も循環型経済へと舵を切りつつあることを示しています。
ユニクロの修理に特化したショップインショップ、RE.UNIQLO STUDIO(リ・ユニクロ スタジオ)が、3月17日にニューヨークの5番街、ビバリーヒルズ、シカゴのステートストリート、フロリダのディズニー・スプリングスにオープンする。また、ニューヨークのソーホーにある既存店舗もリニューアルオープンした。
当初、ユニクロは、2021年秋にベルリンの店舗でリペアサービスを開始したが、そのときは別の名称だった。2022年2月、ユニクロはニューヨークのソーホーに2店舗目を開き、5カ月後にはロンドンのリージェントストリートに新たにオープンした旗艦店にRE.UNIQLO STUDIOを開設した。現在では、同サービスを世界9カ国、12店舗で提供している。今回の米国での展開で、その数は17店舗となり、同ブランドがリペアサービスを優先していることが強調された。
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お直しを超えた付加価値のあるサービス
ショップインショップのスタジオのほかにも、「RE.UNIQLO」の傘下には、オールプロダクト・リサイクリング・イニシアチブ(All Product Recycling Initiative)と呼ばれる引取プログラムがある。ユニクロは20年前から国連難民高等弁務官事務所と連携してこのプログラムを運営している。
「RE.UNIQLOには回収プログラムが含まれている。製品サイドでは、ダウンジャケットの製品間リサイクルプログラムがあり、そして今回のRE.UNIQLO STUDIOだ」と、ユニクロのサステナビリティ・グローバルディレクター、ジャン=エマニュエル・シャイン氏は述べた。「将来的には、この傘下に入るほかのものも出てくるだろう」。
シャイン氏いわく、これまでのところ、リペアスタジオはそれぞれの市場で好意的に受け入れられており、顧客によって頻繁に利用されているとのことだが、詳細な説明は避けた。
ユニクロは、RE.UNIQLOが存在するよりもずっと以前から、店内でパンツの裾上げをする無料サービスを通じて、お直しサービスを提供してきた。「お直しを超えた付加価値のあるサービスをさらに追加することは論理的な拡張だ」とシャイン氏は言う。
ユニクロには修理のためのインフラや機械、訓練を受けたスタッフがいるため、リペアサービスの拡大への投資は、ゼロから始める小売業者にくらべて少なくて済む。シャイン氏は費用の詳細については明かさなかったが、「(拡大への)投資は、店舗での(新たな)ビジュアルプレゼンテーションと結びついている」と述べた。
シャイン氏いわく、同ブランドはRE.UNIQLO STUDIOをソーシャルメディアや、パートナーシップを通じて宣伝している。ユニクロは、日本の森川真彦氏によるメーカー、スタジオ・マサチュカ(Studio Masachuka)やデザイナーの小西翔氏と協働している。
たとえば、小西氏は3月18日にユニクロの5番街店で、日本の修理技術である刺し子や、ビンテージ着物のアップサイクルのパッチワークを紹介するイベントを開催。先着10名の顧客にはスタジオ・マサチュカのハンドメイドによる唯一無二の刺し子ワッペンがプレゼントされ、それを自分の好みのユニクロの商品に縫い付けることができる。
また、3月24日に開催される5番街店のイベントでは、ファッションデザイナーでアップサイクラーでもあるサイモン・ゴールドマン氏が、ニューヨークをイメージした世界にひとつだけのユニクロのワッペンを先着25名の顧客に提供した。
ライフウェアという言葉には修理やメンテナンスも含まれている
ユニクロはできるだけ多くの顧客に提供するため、リペアの規模をさらに拡大することに注力している。「いまやRE.UNIQLO STUDIOは、舞台裏だけのサービスであるのとは対照的に、売り場での存在感を示し、適切にブランディングされて訓練を受けた従業員がいる」とシェイン氏は言う。「トレーニングの部分では、特別な講師とともに多くの時間と費用を投じている。特に5番街ではリペアのための特別な設備にも投資している」。
現在、お直しスタッフは、店舗に持ち込まれたユニクロの服ならどれでも有料で修理を行う。料金は基本的なリペアは5ドル(約660円)から、よりカスタマイズされたお直しはそれよりも高い金額となる。ユニクロは以前からサステナビリティに精力的に取り組んでおり、今回の目的は修理、再利用、リサイクルの促進である。
ユニクロはこれまで、ファストファッションや使い捨ての衣料品ブランドとして分類されることが多かった。「これはその逆を証明するものだ」とシャイン氏は言う。「私たちが当社の服を大切に思っていなければ、このようなかたちで服の寿命を延ばそうなどとはしない」。同氏はユニクロが日常生活で長く着られる服を定義する「ライフウェア」という言葉を生み出した点を強調した。その言葉には修理やメンテナンスも含まれているという。
ラグジュアリーからファストファッションへ拡大するリペアサービス
「ユニクロのリペアサービスは、まさにファッション業界が必要としているひとつの例だ」と、サステナビリティコンサルタントのソフィー・ベンソン氏は言う。「既存の衣服を修理したり、完全に作り直したりする能力は、循環型経済の中心的なものだ。急速に規模を拡大しているこのブランドが、近い将来、リペアサービスを利用して生産を相殺することで、さらに一歩前進するのを目にするのはよいことだろう」。
同様のリペアプログラムを持つ企業はいくつかある。カリフォルニアに拠点を置くテイラースティッチ(Taylor Stitch)は、2019年にリスティッチ(Restitch)というリペアとリセールのプラットフォームを立ち上げた。また、エルメス(Hermès)やマルベリー(Mulberry)といったラグジュアリーブランドには長らく自社のリペアサービスがあり、エルメスは700種類以上の修理サービス、マルベリーは生涯修理を提供している。
真のファストファッションブランドでさえもリペアを提供するようになってきている。また3月15日には、英国の小売業者であるプライマーク(Primark)が、顧客がプライマークのアイテムをより長く着用できるように設計された新たな耐久性と修理の取り組みを導入している。
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