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概要:「ESG(環境・社会・企業統治)インテグレーション(統合)」といった、定義が困難な運用戦略を提供するファンドマネジャーは、欧州のサステナブル投資市場の集計対象から今後外される見通しだ。
現実的な規模算出のため集計手法を見直し-EUROSIF
「漠然とした」ESGインテグレーション戦略は対象外に
「ESG(環境・社会・企業統治)インテグレーション(統合)」といった、定義が困難な運用戦略を提供するファンドマネジャーは、欧州のサステナブル投資市場の集計対象から今後外される見通しだ。
「欧州持続可能投資フォーラム(EUROSIF)」は同市場の規模を直近で12兆ドル(1600兆円)と推計していたが、現実的な市場規模算出のために集計手法を見直している。
同フォーラムのウィル・オールトン会長は、「基本的なESGインテグレーションや単純なセクター除外モデルよりも、期待が高いところへシフトする中、サステナブル投資の定義見直しは避けられないだろう」と話す。
現実の市場規模を捉えようとする向きにとって、従来推計に含まれた「必要最小限かつ強制力のない形でESGを統合する戦略に、今やほとんど興味がない」と、インタビューで語った。
推計の改定値は2022年に示す予定だったが、オールトン会長の話では、新たな集計手法を固めるため今年中のいずれかの時期になる見込みという。規制ガイドラインが強化され、ESG指標に基づいた戦略を手掛けるファンドマネジャーが、大規模なファンド格下げで相次ぎ打撃を受ける状況にあって、ずれ込む形だ。
EUROSIFは現在、ハンブルク大学のティモ・ブッシュ教授と連携。同教授は、最終的な数値から疑わしいESG戦略を確実に取り除く手法を開発している。同教授によれば、欧州のサステナブル投資市場は、従来の集計手法が示す規模のわずか半分となる可能性もあるという。
そうなった場合、昨年12月に米国の持続可能・責任投資フォーラム(US SIF)が示した米市場の推計値を下回る計算になる。米国の数値自体も8兆4000億ドル相当と、従来推計の半分程度に下方修正された経緯がある。
EUROSIFの次回の集計では、「漠然とした」ESGインテグレーション戦略は対象外とされるだろうとブッシュ氏はインタビューでコメント。また単に物議を醸す業種を除外するだけのファンドも外されるという。
試練にさらされるESG市場
ESG市場は、規制強化や懐疑的な投資家の増加、厳しさを増す政治環境といった試練にさらされている。ESGという頭字語が使用されるようになって20年にも満たないが、「ウォーク(温暖化対策などに対する意識が高いこと)資本主義」と関連付ける形で米保守派が攻撃の的としている。一方、多数のサステナブル投資の純粋主義者は、ESGが大手金融機関に乗っ取られ、グリーンウォッシュの隠れみのに成り下がっていると批判する。
欧州のESG市場は、近年大きく変化した。欧州連合(EU)は21年初頭、サステナブルファイナンス開示規則(SFDR)を施行した。同規則の下、ESGとして販売しないファンド(6条)、ESG特性を「促進」するファンド(8条)、ESG「目的」を持つファンド(9条)の3つにファンドは分類されている。
ブルームバーグがまとめたデータによると、約5兆2000億ユーロ(約740兆円)規模の資産が8条ファンドとして登録されており、3360億ユーロ規模が9条に分類されている。同データは2月末時点のもので、ファンド・オブ・ファンズやマネー・マーケット・ファンドを含む。
非常に漠然
「現段階で8条ファンドは非常に漠然としており、基本的にESGに関して何をやっていてもそれに分類されるという深刻な弱点がある」とブッシュ氏は話し、EUROSIFの新たな集計手法では「最も野心的な戦略のファンドを認証する」と説明した。
同氏の手法は、ESG戦略が持続可能な経済への移行を積極的に支援するかという点に焦点を当てたものだ。同氏はESG市場を「除外フォーカス投資」「ベーシックESG投資」「アドバンストESG投資」「インパクト整合投資」「インパクト創出投資」の5つのカテゴリーに分類。このうち、枠組み案の下では後半の3つだけがサステナブル投資と見なされる。
ファースト・センティア・インベスターズの責任投資アドバイザーも務めるオールトン会長は新たなアプローチについて、「ここ数年の市場の自然な進化」を反映するものだと指摘。EUROSIFの新たな集計手法は準備ができ次第、各国・地域で利用できるようにするという。
ブッシュ氏は「従来の研究では、ESGはニッチで、いかに主流に近づいているかを測る類いのものだった」とした上で、今や「サステナブル・ファンドが確実に現実の世界でインパクトを持つようにする」ためのものになったと論じた。
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