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概要:イングランド銀行(英中央銀行)は22日、大方の予想に反し政策金利を0.5ポイント引き上げ、政策金利を5%とした。1980年代以降で最悪のインフレを抑え込む取り組みを強化し、追加利上げが必要な可能性も警告した。
イングランド銀行(英中央銀行)は22日、大方の予想に反し政策金利を0.5ポイント引き上げ、政策金利を5%とした。1980年代以降で最悪のインフレを抑え込む取り組みを強化し、追加利上げが必要な可能性も警告した。
金融政策委員会(MPC)は7対2で5%への利上げを決定。2月以来の大幅引き上げとなった。市場は0.5ポイント利上げの確率を40%しか織り込んでおらず、大方のエコノミストは0.25ポイント利上げを予想していた。
ベイリー総裁率いるMPCは、金利がさらに高水準へ向かうとの従来のガイダンスを維持。金利が来年序盤に6%前後でピークを付けるとの市場予想を否定しなかった。
ベイリー総裁は「経済は予想より堅調だが、インフレは依然あまりに高く、これを何とかする必要がある」と語った。住宅ローンやその他のローンを抱えた人が不安になるのは理解できるとしながらも、「金利を今引き上げなければ、将来にさらに悪い結果になり得る」と論じた。
決定発表後にポンドは上昇と下落を行き来し、英国債は値上がりした。短期金融市場は一段の利上げの観測を強め、来年2月までに政策金利が6.25%でピークに達する確率を30%と織り込んだ。ここからさらに1.25ポイントの利上げを意味する。
総裁はハント財務相に宛てた書簡で、物価「圧力がさらに持続する証拠があれば、一段の金融政策引き締めが必要となる」とし、「インフレを押し下げることがわれわれの絶対的な最優先課題だ。MPCはインフレ率を目標の2%に戻すため必要な措置を取る」と付け加えた。
ハント氏は「高インフレはわれわれが対処しなければならない最大かつ喫緊の経済的課題だ」と応じ、中銀がインフレを2%に戻す取り組みには政府の「完全な支援」があると強調した。
この日の決定は英中銀が夏の間も利上げを続け得ることを示唆した。米連邦公開市場委員会(FOMC)は6月に利上げを休止したが、英国のインフレは主要7カ国(G7)の中で際立って根強く、5月も8.7%と中銀目標の4倍以上、米国の2倍以上にとどまった。
UK Has Higher Inflation Than Its Major Peers
Britain has US labor market problems, European energy problems
Source: Office for National Statistics, Eurostat, Bureau of Labor Statistics
6月会合の議事録は「国内の物価と賃金動向の二次的影響の解消には、出現した時よりも時間がかかる公算が大きい」としている。さらに「引き締まった労働市場と底堅さが続く需要を背景とした、より持続的なインフレプロセス」について警告した。
サービス価格のインフレもコアインフレ率も「予想より強く」、賃金も予想以上のペースでの上昇が続いたと、議事録は指摘した。
MPCで反対票を投じたのはディングラ委員と、今回が最後の会合となるテンレイロ委員だった。両氏はこれまでの利上げがまだ完全には経済に浸透しておらず、エネルギー価格下落が予測対象期間の終わりまでにインフレ率を目標以下に押し下げるだろうと論じた。
議事録も、消費者物価インフレが年内に「大きく低下する」との見通しを示した。英中銀は次回8月3日の会合で、最新の成長およびインフレ予測を公表する。
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