銅価格が12％も急上昇…世界経済が上向くシグナルか、単なる供給不足か

• 銅価格が5月25日の安値から12％も上昇しており、これは経済にとって明るいシグナルかもしれない。

• 銅は経済のあらゆるセクターで使われることから、経済状況の指標と考えられている。

• ｢銅は世界経済の博士号を持っていると言われている。最近の強さは、我々が聞き続けている多くの懸念とは相反するものだ｣と専門家はInsiderに述べた。

多くのエコノミストが差し迫る景気後退について懸念しているが、銅価格の最近の急騰は経済の明るい兆しを示している可能性がある。

銅は経済のあらゆるセクターで使われているため、銅価格は長い間、重要な経済指標だと考えられてきた。基本的に、銅価格の上昇は需要の増加や経済活動の活発化のシグナルとなり、銅価格が下落するとその逆になる。

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銅価格は、2023年当初の高値から17％も下落した後、反発を見せ、5月25日の安値から12％も急騰し、6月22日には1ポンド当たり3.96ドルの高値をつけた。

フェアリード・ストラテジーズ（Fairlead Strategies）の創業者、ケイティ－・ストックトン（Katie Stockton）は、銅価格の回復が続いた場合の目標値を強調した。

｢漸進的な上値追いは、経済状況の改善を示唆する前向きな中期的発展の突破口を開くだろう。二次抵抗線は1ポンド当たり4.20ドルから4.30ドルに近い｣と、ストックトンは指摘した。

もしストックトンが示した水準まで達するなら、5月下旬の安値から20％以上の上昇となる。

カーソン・グループ（Carson Group）のチーフマーケットストラテジストのライアン・デトリック（Ryan Detrick）は、経済成長の持続を予測しているので、銅価格が引き続き高く推移しても驚かないという。

｢銅は世界経済の博士号を持っていると言われる。最近の強さは、我々が耳にし続けている多くの懸念とは相反するものだ｣とデトリックはInsiderに語った。

｢住宅市場は底を打ち、消費は依然として強いことから、経済が2023年に後退を回避する可能性は高いと考えている。最近の銅価格の上昇は、『ドクターコッパー』がこの兆候を嗅ぎ分けているのかもしれない｣

だが、銅価格の上昇は、いつも商品の需要増加によって引き起こされるのではなく、別の要因で起きることもあり。ファンドストラット（Fundstrat）のトム・リー（Tom Lee）は、最近の銅価格の上昇は、四半期末のポジショニングの動きによるものかもしれないとInsiderに話し、インタラクティブ・ブローカーズ（Interactive Brokers）のチーフストラテジストのスティーブ・ソスニック（Steve Sosnick）は銅の供給不足による可能性があると述べた。

｢銅先物が逆ザヤになっているのは注目すべきことだ。ここ1カ月の価格上昇にともない、期近物の価格が先に上昇した。短期的な供給不足が価格を押し上げた可能性がある｣とソスニックは述べている。

ソスニックは石油など他の主要コモディティが経済の強さを指し示していないため、中国での最近の金利引き下げが影響を与えているかもしれないと述べた。

最近の銅価格の高騰が、経済によるものであろうと供給量の減少によるものであろうと、上昇の持続可能性が判断材料となる可能性が高いため、投資家は銅価格が今後どのように推移するかに注意を払う必要がある。