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概要:ほんの数カ月前までコンセンサスだった「米企業はアーニングリセッション(2四半期連続減益)に陥る」との見方は、もう消えてしまった。これを額面通り受け取れば、来年にかけての米株式市場の追い風になるはずだ。
[オーランド(米フロリダ州) 11日 ロイター] - ほんの数カ月前までコンセンサスだった「米企業はアーニングリセッション(2四半期連続減益)に陥る」との見方は、もう消えてしまった。これを額面通り受け取れば、来年にかけての米株式市場の追い風になるはずだ。
ほんの数カ月前までコンセンサスだった「米企業はアーニングリセッション(2四半期連続減益)に陥る」との見方は、もう消えてしまった。これを額面通り受け取れば、来年にかけての米株式市場の追い風になるはずだ。
ところが株価に目を転じれば、底堅い業績への期待は既に3月以降のハイテク株主導による上昇で織り込まれており、今から買いに入っても「高値づかみ」になることは免れない。
また数年単位で考えている投資家にとって、金利が近年見られたような歴史的低水準に戻らない限り、米国株の上昇余地や米国債に対する相対的な魅力は小さくなっていくのではないだろうか。
現時点のリフィニティブのIBESデータによると、今年第2・四半期のS&P総合500種企業の利益は前年同期比6.4%減少する見通し。これは過去3年で最悪の数字だが、アーニングリセッションにはならない。第1・四半期はわずか0.1%だが増益だったし、第3・四半期も約1%の増益が予想されているからだ。
注目されることに、一部のアナリストから第2・四半期は1-2%の増益になるとのささやきが聞こえてきている。リフィニティブのタジンダー・ディロン氏の分析では、当初の減益予想が最終的に増益予想に転じれば、2002年以降では9回目となる。前回そうなったのは今年第1・四半期だった。
来年の業績見通しはさらに明るく、通年では12%の増益が見込まれる。四半期別では、11セクターのうちで減益の予想になっているのは第1・四半期のエネルギーおよび素材と、第3・四半期の公益しかない。
まさにバラ色の先行きであり、恐らくバラ色過ぎる。
S&P総合500種の12カ月予想利益に基づく株価収益率(PER)は足元で19.1倍と、過去20年平均の15.8倍、30年平均の16.5倍、40年平均の約16倍をいずれも大きく上回っている。
大幅にかさ増ししているのは、27倍前後で推移しているハイテク株だ。ただ、それでも企業利益見通しは楽観的であり、米経済が景気後退を回避して軟着陸(ソフトランディング)を達成しなければ正当化できない。
S&Pグローバルのシニアアナリスト、ハワード・シルバーブラット氏は「来年の企業利益見通しはこれまで非常な堅調さを維持してきて、高水準にある。相当なプレミアムを支払っている形で、その価値があることを願っている」と述べた。
<リスクプレミアム>
リスクフリーの米国債に対して株式がどれだけ追加的なリターンを得られるかを示すリスクプレミアム(ERP)からも、米株が決して割安ではないと分かる。
ERPは大ざっぱな指標だが、株式の評価が過小か過大かを探る上では格好の手掛かりで、現在は2004年以降の最低水準。つまり米株にはリスクに見合うだけの価値がないことがうかがえる。
そして低金利やゼロ金利の時代が終わりを告げるとすれば、投資家はERPが構造的に下振れる展開が何年も続く事態に備える必要がある。視点を変えると、株価の割高局面が長引くということだ。
これこそがロベコの調査責任者デービッド・ブリッツ氏が昨年公表した論文の結論で、同氏は過去120年余りのさまざまな国のERPデータを分析してそうした見解にたどり着いた。
想定される株式の総リターンは、リスクフリー資産のリターンとは無関係、もしくは逆相関の関係になるようで、ERPはリスクフリー資産のリターンが低い時の方がずっと高く、その逆も真であることを意味する。
もしも米国債の利回りが6%を超えれば、ERPはマイナスにさえなりかねない。
ブリッツ氏は、こうした構図は「リスクフリー資産の利回りがどうなろうとも株式にはリスクプレミアムが内在する」という経験則に背くものだと指摘した。同氏が正しければ、金利や利回りが今の水準からさらに上昇すれば、ERPは一段と圧迫される。
米連邦準備理事会(FRB)のエコノミスト、マイケル・スモリャンスキー氏が先月公表した研究論文でも、企業利益と株式のリターンに関して同じように厳しい長期的な見通しが示された。ただその理由は異なっている。
スモリャンスキー氏は、1989年から2019年までの実質ベースの企業利益の伸びの40%強は、金利低下と法人税率引き下げで説明できるし、PERの上昇はリスクフリー金利低下で全て説明できると主張する。
金利と米国債利回りが2008年以降の最低水準まで低下しないと仮定すると、PERがさらに切り上がるのは難しくなる。スモリャンスキー氏は今後、企業利益の伸びが「相当下振れる」とみているが、市場はそうした事態を織り込んでいないようだ。
想定通りに企業利益の伸びが鈍化し、PERの上昇が相殺されないなら、株式の実質ベースの長期リターンは米国内総生産(GDP)の実質成長率である2%前後よりも高くならない公算が大きいとスモリャンスキー氏は説明する。
「この結論は間違いなく劇的だが、あくまで最低限の想定条件に従っている。一番重要な想定は、金利と法人税率が2019年の水準からさらに大きく下がるのは不可能ということだ」という。
第2・四半期企業業績がしっかりした内容で、アーニングリセッションを回避することが米株の起爆剤になる可能性はある。しかしそれで値上がりしても、長続きしないかもしれない。
(筆者はロイターのコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています)
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