米オフィス需要が第２四半期に7.7％増、「有意義な改善」－ＪＬＬ

米国のオフィス需要は安定化の兆しを見せ始めている。

不動産仲介のジョーンズ・ラング・ラサール（ＪＬＬ）によると、第２四半期（４－６月）のオフィス賃貸は前期比7.7％増となった。ＪＬＬの米国オフィス調査責任者、ジェイコブ・ローデン氏によると、テキサス州のエネルギー企業など成長産業向けの需要が増加したほか、新規スペースの契約を結ぶ大手テナントが増えた。

ローデン氏はインタビューで、「有意義な改善だ。しかし、これが持続的な回復の出発点だと言うのは時期尚早だ」と述べた。

賃貸増加は、ここ数年打撃を受けているオフィス市場にとっては歓迎すべき兆候だ。リモートワークの増加やレイオフにより、企業はオフィススペースの削減を加速させ、多くの貸し手の見通しは暗くなっている。グリーン・ストリートによれば、オフィス価格は2022年のピークから31％下落した。

オフィス市場は依然として圧力を受けている。第２四半期の賃貸面積は前年同期比14％減の375万平方メートルと、新型コロナウイルスのパンデミック（世界的大流行）前の平均を下回った。

この間、賃貸可能なオフィススペースも増え、空室率は21％近くまで上昇した。テナントが契約を更新したり、移転したりする場合、デスクスペースは通常20％ほど少なくなるが、会議室の需要増で一部相殺されているとローデン氏は指摘した。

オフィス市場の変化は地域によって大きく異なる。マイアミの募集賃料は前期比7.3％上昇、ウェストパームビーチでは18％近く上昇した。

ニューヨークは、対面でのオフィスワークの文化と、多様な業種が同市にスペースを求めていることから、恩恵を受けたとローデン氏は述べた。

サンフランシスコでは、人員削減、リモートワーク、テクノロジー企業からの撤退で市場が打撃を受け、空室とサブリーススペースを含むオフィス空室率は、総在庫の34％に達した。空室率は少なくとも2024年までは縮小しそうにないとローデン氏は指摘する。しかし、人工知能（ＡＩ）関連企業からの需要は増え始めているという。