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概要:ドル相場に関する理論で知られるスティーブン・ジェン氏が判断する限り、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長率いる金融当局は、同国経済の深刻なリセッション(景気後退)を招くことなく、インフレ退治に成功を収めることになりそうだ。
2023年7月14日 12:03 JST
スティーブン・ジェン氏、「ドル・スマイル理論」の有効性を指摘
ユーロは今後半年以内に1.20ドルに急伸する可能性-ジェン氏予想
ドル相場に関する理論で知られるスティーブン・ジェン氏が判断する限り、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長率いる金融当局は、同国経済の深刻なリセッション(景気後退)を招くことなく、インフレ退治に成功を収めることになりそうだ。
ただ、こうした展望は世界の準備通貨であるドルの相場見通しにはマイナスとなり、外国為替市場に衝撃波が広がることにもなりかねない。
米経済のソフトランディング(軟着陸)予想が台頭する状況にあって、ロンドンを拠点とするユリゾンSLJキャピタルの共同創業者で、最高経営責任者(CEO)を務めるジェン氏は自身の「ドル・スマイル理論」の有効性をあらためて強調している。
この理論の趣旨は、米国が深刻な景気低迷に陥るか、力強い景気拡大の局面にある場合、ドル高となるのが典型的である一方、現行のように緩やかな成長の局面では軟調に推移するというものだ。
ドルが1年強ぶりの安値を付け、後者のシナリオの論拠は既に鮮明になりつつあると、ジェン氏は指摘する。米金融当局による積極的な金融引き締めの結果、消費者物価指数(CPI)はピークに達したとトレーダーはみている。
米国の財政赤字・公的債務残高や経常収支赤字の拡大が重しになり、こうしたドル安傾向が続く見込みだと、国際通貨基金(IMF)でエコノミストを務めた経歴を持つジェン氏は指摘する。
ジェン氏はインタビューで、「ドルはこれまで、そして今でも非常に過大評価されている。適正水準に回帰するにはそれほど材料は必要ないだろう」と述べるとともに、「米金融当局はもう一回利上げして、ソフトランディング達成は可能と考えられる」と話した。
今週の動きからは、ドル下落が世界の金融市場に急速に波紋を広げる様子が浮き彫りとなった。CPI統計でインフレ鈍化に向けた有望な兆候が示され、円をはじめとする各国・地域の通貨が対ドルで上昇した。
ジェン氏の見解では、このような機運の新たな象徴となるのはユーロで、今後半年以内に1ユーロ=1.20ドルと、現行水準から7%近く急伸する可能性があるという。
「インフレを巡る連邦公開市場委員会(FOMC)の見解が全体的に修正されれば、そして、それは近いうちにそうなると私は考えるが、ドルは一段と急速なペースで下落するだろう。ドルにはもはやシクリカルな支えはない」とコメントした。
ストラテジストは既にユーロ相場がドル安の大きな恩恵を受けるとの見方を受け入れつつある。ドイツ銀行はユーロが年末までに1.15ドルを付けると予想する一方、野村ホールディングスの担当者は9月末までに1.14ドルに達すると見込む。
ジェン氏は「ホットでもコールドでもない米経済シナリオは、投資家にとって米国の驚くべき構造的な弱さに注目する機会となり、ドルにはマイナスに作用するだろう」と語った。
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