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概要:トランプ前大統領から「無知」のそしりを受けたことのあるパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長だが、米国経済が「ソフトランディング(軟着陸)」を果たすなら、史上最高のFRB議長として名を残す可能性が出てきた。
[オーランド(米フロリダ州) 18日 ロイター] - トランプ前大統領から「無知」のそしりを受けたことのあるパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長だが、米国経済が「ソフトランディング(軟着陸)」を果たすなら、史上最高のFRB議長として名を残す可能性が出てきた。
7月18日、 トランプ前大統領から「無知」のそしりを受けたことのあるパウエル米連邦準備理事会(写真)議長だが、米国経済が「ソフトランディング(軟着陸)」を果たすなら、史上最高のFRB議長として名を残す可能性が出てきた。ワシントンの米議会で6月撮影(2023年 ロイター/Julia Nikhinson)
米国が今年リセッション(景気後退)を免れ、インフレ率が目標値に近づき、来年の景気減速も小幅にとどまって失業率が歴史的な低水準を維持するシナリオは、十分に現実味を帯びている。かつて強かったリセッション観測は後退しており、パウエル氏とイエレン財務長官自身、リセッションは到来しないと予想している。
FRBが1980年代以降で最も積極的な利上げを続けてきた末に景気が軟着陸するなら、それ自体が大した功績だろう。
この4年間を振り返ると、新型コロナウイルス禍、ウクライナ戦争に伴うエネルギー価格の高騰、今年初頭の銀行危機と、数々の困難を乗り切ってきた「パウエルFRB」は今、米経済をしっかりコントロールしているように見える。
2017年、パウエル氏を最初にFRB議長に任命したトランプ氏は議長をさんざん批判し、19年のツイートでは「無知」、「おそろしく先見の明がない」、「情けない!」などと罵倒した。
そんなパウエル氏が、間もなくポール・ボルカー氏やアラン・グリーンスパン氏から歴代最高のFRB議長の王冠を奪う可能性が出てきた。
SMBC日興セキュリティーズ・アメリカのチーフエコノミスト、ジョセフ・ラボーニャ氏は「ソフトランディングを達成できたなら、パウエル氏の名声は高まる。中央銀行家の殿堂の玉座にいるのは今もボルカー氏だが、パウエル氏の功績はグリーンスパン氏をしのぐだろう」と語った。
<リセッションの確率低下>
少なくとも今のところ、米経済を巡る予想は全て覆されている。複数の経済・金融指標が何カ月も前からリセッションの予兆を発してきたが、公式統計にはまだリセッション入りの兆候が全く現れていない。第1・四半期の国内総生産(GDP)成長率は大幅に上方改定された。
ゴールドマン・サックスのチーフエコノミスト、ジャン・ハチアス氏は17日、1年以内にリセッションに陥る確率を従来の25%から20%に引き下げた。
エコノミストを対象とした6月のロイター調査では、年内のリセッション確率が60%と、数週間前の70%超から切り下がった。3カ月物財務省短期証券(Tビル)と10年物国債のイールドカーブに基づくニューヨーク連銀のモデルでは、今後1年間のリセッション確率は66%程度となっている。
足元の失業率は3.6%と約半世紀ぶりの低さ。インフレ率は3%で低下の流れが強まっており、FRBの目標値2%が視野に入った。金融市場では、FRBはあと1回で利上げを打ち切り、その後は年内いっぱい政策金利を据え置き、来年は大幅な利下げに転じると予想されている。
こうした状況に照らせば、パウエル氏はなかなか良い仕事をやっているようだ。ただ、だれかが一般大衆にはっきりとそう伝える必要がある。ギャラップが5月に行った調査では、パウエル氏を信頼する国民の比率は36%と任期中で最低だったのみならず、調査が始まった2001年以降のFRB議長の中で最低だった。
(筆者はロイターのコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています)
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