アポロ共同創業者を米上院が調査、性犯罪の富豪への220億円報酬巡り

上院財政委、レオン・ブラック氏の支払いが贈与税対象かどうか調査

エプスタイン元被告の支援受けたスキームに多くの疑問と指摘

元被告に「支払われた法外な金額が連邦税法上贈与として分類されるべきであったかどうかを含め、元被告の支援で実施された租税回避スキームに関して、未解決の疑問が数多く残っている」とした。財政委は強制執行の権限を持たない。

米紙ニューヨーク・タイムズ（ＮＹＴ）は先週、エプスタイン元被告を巡る法廷闘争を避けるため、ブラック氏が今年１月に米領バージン諸島に6250万ドルを支払うことで合意していたと報じた。元被告による犯罪の舞台となった米領バージン諸島は、性的人身取引を黙認していたとして米銀ＪＰモルガン・チェースなどを提訴している。

ブラック氏は21年まで長年にわたりアポロ・グローバルの最高経営責任者（ＣＥＯ）を務めていた。

同氏の広報担当は同氏が上院の調査に全面的に協力し、詳細な情報を提供していると説明。「財政委の書簡で言及された取引は、あらゆる点で合法的なものであり、信頼できる法律事務所、税務アドバイザーらによって考案され、検証され、実行されたものだ」とするコメントを出した。「ブラック氏は政府に納めるべき税金を全て完納している」という。

デチャートの報告書によれば、ブラック氏がエプスタイン元被告の犯罪行為を知っていたという証拠は見つかっていない。デチャートは1990年代半ばから2018年までの２人の関係を調べた。ブルームバーグ・ビリオネア指数によると、ブラック氏の資産は115億ドル。

ワイデン委員長の書簡によれば、常に健全だったわけではないエプスタイン元被告の助言に対し「不可解に高額」な報酬を支払っていたことを巡る質問に対し、ブラック氏は回答を拒否したという。