ハイテク株買い増しでもＡＩツールに身銭は切らず－ＭＬＩＶ調査

回答者の77％、ハイテク株エクスポージャーを増やすか据え置きへ

• 生活やビジネスを支援するＡＩツールに身銭切ることに半数が消極的

ウォール街の投資家らは、人工知能（ＡＩ）時代が大々的な宣伝に見合うものになるか懐疑的な見方をとりながらも、2023年のハイテク株高が持続することに賭けている。

ブルームバーグ「マーケッツ・ライブ（ＭＬＩＶ）パルス」の最新調査では、回答者514人のうち約77％が今後半年間にテクノロジー株へのエクスポージャーを増やすか据え置く計画であることが分かった。一方、このセクターのバブルがすぐに破裂すると見る向きは10％未満だった。こうした強気姿勢を追い風に、ナスダック100指数は上期としては過去最高のリターンを記録し、市場のバリュエーションは上昇、市場のプロの不意を突いた。

Do you intend to increase or decrease exposure to tech stocks over the next six months？

Source: Bloomberg MLIV Pulse survey July 24-28, with 514 respondents.

調査参加者はＡＩブームで拍車がかかる米国株のメルトアップに乗っている可能性が高い一方で、まだこの技術に全力投球しているわけではない。回答者の半数は、個人の生活やビジネスライフを支援するＡＩツールに身銭を切ることに消極的であり、過半数の企業は今後のトレーディングや投資にＡＩを使用する計画はないという。

これはオープンＡＩの「ChatGPT（チャットＧＰＴ）」が流行する時代に、企業が大規模投資からすぐに利益を上げるのは難しいことを映している。

Half of Investors Are Unwilling to Spend on AI

We asked: How much are you willing to pay for AI tools, either for work or for personal purposes？

Source: Bloomberg MLIV Pulse survey July 24-28 with 514 respondents.

未来の技術への需要が高まる中、アップルやマイクロソフトなどの株価上昇にけん引され、ナスダック100指数は年初来で40％以上の大幅高を演じている。現在の予想株価収益率（ＰＥＲ）は約25倍と10年平均のほぼ21倍を上回る水準だ。米企業による決算発表では企業幹部はＡＩについてより多く語るが、迫り来るリセッション（景気後退）についてはあまり言及していない。

ＡＩブームは2000年代のインターネット株バブル期とは異なり、全くの臆測に基づくものではない。初期段階とはいえ、既に実用化されているアプリケーションは数々ある。マイクロソフトなど業界の大手企業は、生産性向上ツールで法人顧客を引きつけようとＡＩ関連の新製品に取り組んでいる。

Using the dot-com bubble comparison, where would you say US tech stocks are at the moment？

Here\'s how investors voted:

Source: Bloomberg MLIV Pulse survey July 24-28 with 514 respondents.

ＭＬＩＶパルス調査はブルームバーグ・ニュースの読者を対象にブルームバーグの「マーケッツ・ライブ」チームが毎週実施。ＭＬＩＶブログは同チームが運営している。