ＥＣＢホルツマン氏、サプライズなければ９月利上げに前向き

欧州中央銀行（ＥＣＢ）政策委員会メンバーのホルツマン・オーストリア中銀総裁は、インフレは克服されておらず、９月の利上げが恐らく必要だろうと述べた。

同総裁はインタビューで、経済はリセッション（景気後退）にさらされてはいないとし、労働市場の逼迫（ひっぱく）により労働組合が大幅な賃上げを確保する可能性もあると指摘した。

ホルツマン氏は「インフレに関してはまだ解決してはいない」とし、物価上昇リスクを見極めるため今後の全ての情報を注視していくと付け加えた。 「大きなサプライズがなければ、一時停止することなく利上げを続けるべきだと考えている」と語った。

Inflation Is Still More Than Twice the ECBs 2% Goal

Source: Eurostat, Bloomberg survey of economists

同総裁の発言は、インフレを抑制するのに十分なほど経済が弱くなっているのか、それとも一段の利上げが必要なのかの議論の一環だ。

ホルツマン氏は最もタカ派的なＥＣＢ当局者の一人。ドイツとラトビアのナーゲル氏とカザークス氏も先週、米ワイオミング州ジャクソンホールでのブルームバーグテレビジョンとのインタビューで追加利上げに傾いていることを示唆した。

一方、ポルトガル中銀のセンテノ総裁はよりハト派で、下振れリスクが顕在化しているため警戒が必要だと反論した。しかしホルツマン氏は、今はためらうべき時ではないと考えている。

「ピーク金利をより早く達成する方が良い。最終的にはそれが利下げをより早く開始することにつながる。ストップ・アンド・ゴーの金利の道筋を消化するのは市場にとってより難しい」と話した。

ＥＣＢはインフレ対策で「やや出遅れている」とも述べた上で、利上げが９月より後も続く可能性があるかとの質問には、政策金利が「４％に達したらまた議論する」と答えた。

ラガルド総裁は25日のジャクソンホールでの講演で、ＥＣＢの今後の決定について明確なシグナルを出すことを避けた。

ラガルド氏が９月政策に言及せず、利上げか停止か左右するＣＰＩ注目

31日には８月の消費者物価統計が発表され、その1週間後にはユーロ圏の４－６月（第２四半期）域内総生産（ＧＤＰ）確定値が発表される。

ホルツマン氏は「景気は期待したほど良くはないが、同時に景気後退を口にするほどひどい減速でもない。見込まれるのは停滞だ」と語った。

ホルツマン氏はＥＣＢがバランスシート圧縮を加速させることを検討すべきだとの考えも示した。