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概要:夏場の外為市場でドル高・円安が進んでいる。8月28日の海外市場では一時146円74銭と昨年11月9日以来の高値を記録する場面があった。今年の3月24日に記録した直近安値の129円64銭を底に、5カ月間で計測された値上がり幅は約17円10銭、騰落率に換算すると13.2%もの急騰だ。
[東京 29日] - 夏場の外為市場でドル高・円安が進んでいる。8月28日の海外市場では一時146円74銭と昨年11月9日以来の高値を記録する場面があった。今年の3月24日に記録した直近安値の129円64銭を底に、5カ月間で計測された値上がり幅は約17円10銭、騰落率に換算すると13.2%もの急騰だ。
【东京29日】夏季外汇市场美元坚挺,日元贬值。 8月28日海外市场价格为146.74日元,为去年11月9日以来最高。自2011年3月24日创下的最低价格129.64日元以来,过去五个月内价格上涨了约17.10日元,换算成变动率时上涨了13.2%。
夏場の外為市場でドル高・円安が進んでいる。8月28日の海外市場では一時146円74銭と昨年11月9日以来の高値を記録する場面があった。
夏季外汇市场美元走强,日元贬值。 8月28日海外市场价格为146.74日元,为去年11月9日以来最高。
昨年9月22日の夕刻に日本の財務省が約24年ぶりのドル売り・円買い介入に踏み切った当日のドル/円相場の高値が145円90銭だったことは、国内外の市場関係者の脳裏にまだ鮮烈な記憶として残っている。
去年9月22日晚,日本财务省约24年来首次出手抛售美元、买入日元,至今仍清晰地存在于我的脑海中。
日本の為替政策を所管する鈴木俊一財務相は、為替市場への介入に際して特定の水準や方向を嫌っているわけではなく、一方的で行き過ぎた変動を戒めるのが目的だとの建前を崩していない。
负责日本外汇政策的财务大臣铃木俊一已经削弱了他的立场,即他并不不喜欢干预外汇市场时的任何特定水平或方向,但他的目的是阻止过度的单边波动。 。
だが、昨年10月下旬に1ドル=151円台の水準で2回目のドル売り・円買い介入を実施した後、約2カ月半で最大25円近くもドル/円相場が急落して127円台まで円高が進んでも、鈴木財務相は円高の速度超過をけん制する口先介入を一切行わなかった。
然而,去年10月下旬在151日元兑1美元水平进行第二轮美元抛售和日元买盘干预后,美元兑日元汇率在大约两年半的时间里暴跌多达25日元至127日元。半个月以来,即使日元升值至10的水平,财务大臣铃木也没有做出口头干预,阻止日元升值过快。
<けん制発言は穏やか>
一方、今年の春先から進み始めたドル高・円安のスピードは、昨年秋から今年の年初に進んだドル安・円高に比べてかなり遅かったが、5月下旬に1ドル=140円00銭を超える水準までドル高・円安が進むと、日本の財務省は日銀と金融庁も交えた「三者会談」を久しぶりに招集して「過度の変動は好ましくない」との見解を示すなど、はた目からみて明らかに140円00銭付近のレベルを意識したとみられる円安忌避の警告を発する姿が目撃された。
另一方面,从今年早春开始的美元升值和日元贬值速度,明显慢于从去年秋季到今年下半年美元和日元贬值的速度。今年年初,当美元走强、日元贬值到超过日元的水平时,日本财务省长期以来首次与日本央行和金融厅召开“三方会谈”,并表示“过度波动不可取”。从表面上看,有人发出避免日元贬值的警告,显然是瞄准了140日元左右的水平。
その後も、鈴木財務相は為替がドル高・円安に振れるたびに「高い緊張感を持って注視している」、「行き過ぎた動きには適切に対応する」などと発言していることから、日本政府によるドル売り・円買い介入再開への警戒感が高まっている。
此后,财务大臣铃木表示,每当汇率在美元走强和日元走弱之间波动时,他都会“高度关注”并“对过度波动做出适当反应”。对日本政府恢复美元抛售和日元买进干预持谨慎态度。
ただ、今のところ鈴木財務相が口先介入での円安けん制を行う際の言葉遣いは「(円安の進行を)注視している」という比較的マイルドな表現にとどまっており、昨年9月に実弾介入を発動する直前に頻繁に使われていた「憂慮している」という強い嫌悪感を示す表現にはなっていない。
不过,到目前为止,铃木财务大臣抑制日元贬值的口头干预仍然比较温和,称“我正在关注(日元贬值的进展)”,并没有表现出“担心”的强烈反感。 ,这在实弹干预被调用之前经常被使用。
その後、昨年9月に1回目のドル売り・円買い介入に踏み切った後に鈴木財務相は「(行き過ぎた円安に対しては)断固たる措置をとる」という非常に強い表現を用いて10月21日と24日に実施した2回目、3回目の為替介入を予告していた。
此后,去年9月,财务大臣铃木在开始首次美元抛售/日元买进干预后,于2018年10月21日宣布,将采取“坚决措施”(针对日元过度贬值)。 24日和24日进行的第二次和第三次外汇干预已被预言。
改めて指摘するまでもないが、為替市場への口先介入は「言葉が命」だ。為替円安の動きに対して警告を発する際に「注意深くみて適切な対応を取る」と言うのと「憂慮しているので断固たる措置をとる」と言うのとでは、言霊(ことだま)の響きが全く違う。
无需再次指出,口头干预外汇市场“言语是命脉”。在对日元贬值走势发出警告时,说“我将在认真考虑后采取适当措施”和“我感到担忧,并将采取果断措施”,其效果是完全不同的。
<政府の本音はどこか>
今のところ、円安の進行に対する日本政府の警戒レベルは、昨年秋の介入実施直前の頃ほどには高まっていないような印象が強い。いったい何故だろうか。
迄今为止,人们的强烈印象是,日本政府对日元贬值的谨慎程度已不像去年秋天实施干预之前那么高。为什么?
日本政府が約24年ぶりのドル売り・円買い介入に踏み切った昨年秋は新型コロナの感染防止を目的にした水際対策により、本来ならば円安メリットの受け皿になるべき訪日外国人客によるインバウンド消費が封印されていた。
去年秋天,由于旨在防止新冠病毒感染的边境措施,日本政府决定约24年来首次进行干预,出售美元并购买日元,本应从日元贬值中受益的海外入境游客.消耗被密封。
このため、当時のドル高・円安局面では輸入インフレによる円安の悪影響だけが目立つ中、日経平均株価も2万5000円─2万8000円台で低迷していた。
受此影响,日经平均指数在25000-28000日元区间内低迷,而在美元强日元弱的情况下,输入性通胀导致日元贬值的负面影响十分明显。
だが、現在は水際対策の撤廃によってインバウンド消費が復活して国内の観光地や商業施設に活気が戻り、企業業績の上振れ期待も一助となって、日経平均株価はバブル崩壊後の戻り高値を更新した後も底堅く推移、3万2000円前後の巡航高度を保っている。現在は昨年秋に比べて「悪い円安」論は盛り上がっておらず、「良い円安」の側面にも光が当たっている。
但随着边境措施的取消,入境消费复苏,国内旅游景点和商业设施重新焕发活力,即使更新后也保持稳定,维持在32000日元左右的巡航高度。与去年秋季相比,如今“日元贬值利好”的论调不再那么活跃,“日元贬值利好”的一面也正在凸显。
このような状況下で日本の財務省が巨額のドル売り・円買い介入を再開した場合、為替が再び一気に円高に振れて訪日外国人客によるインバウンド消費の円換算額が目減りしたり、日本の企業業績の下振れ観測が強まったりして、日本が足元で享受している円安のメリットが一部減殺されてしまうリスクがある。
在这种情况下,如果日本财务省恢复大量美元抛售和日元买进干预,汇率将再次大幅波动,外国游客赴日入境消费的日元换算金额将会减少。日本目前享受的日元贬值带来的一些好处可能会受到削弱。
このため、現在の市場環境の下で日本の財務省がドル売り・円買い介入を再開した場合、その後に観測される為替や株価の反応次第では、いったい何のために「虎の子」の外貨準備を取り崩してまで為替市場に介入しているのか、賛否両論が交錯する可能性がありそうだ。
为此,如果日本财务省在当前市场环境下恢复美元抛售/日元买进干预,“老虎”的外汇储备有何用途,取决于观察到的汇率和股价反应?干预外汇市场的利弊可能会好坏参半。
もちろん、ドル売り・円買いの為替介入には「輸入インフレから国民生活を守る」という立派な大義名分もあるため、今後さらなる円安が進んだ場合は、鈴木財務相の表現が「注視」から「憂慮」に格上げされ、それでも止まらない場合はドル売り・円買い介入が再開される可能性はあるだろう。
当然,抛售美元、买进日元的外汇干预有着“保护民众生命不受输入性通胀影响”的充分理由,因此如果未来日元进一步走软,铃木财务大臣的表情将会是“谨慎观望”。如果这种情况不停止,是否要恢复美元抛售/日元买进干预。
あくまで私見だが、今後のドル/円相場が心理的節目の150円を超えてきた場合は、鈴木財務相の言葉選びも変わってくるのではないかと思っている。
这只是我个人的观点,但我认为,如果美元/日元汇率升至150日元这一心理里程碑之上,铃木财务大臣的措辞将会改变。
<ドル高のピークと介入の関係>
もっとも、日本政府が躍起になってドル売り・円買い介入を実施しなくても、1ドル=150円を超えるドル高・円安がどんどん進む可能性は低そうだ。7月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で米連邦準備理事会(FRB)は11回目の利上げを実施したが、昨年の3月から始まった米国の利上げは既に9.5─10合目付近に達している可能性が高い。
不过,即使日本政府不急于干预出售美元并购买日元,美元似乎也不太可能升值,而日元将继续贬值至150日元兑1美元以上。美国联邦储备委员会(frb)在7月美国联邦公开市场委员会(fomc)会议上第11次加息,但去年3月开始的美国加息幅度已经在9.5至10之间。很可能你很接近。
現在、米国の金利先物市場では「利上げ停止観測が広がりそうで広がらない」というモヤモヤ感が解消されておらず、年内に0.25%刻みで「あと1回」の利上げが実施される確率が69%程度で織り込まれている。
目前,在美国利率期货市场上,“暂停加息的猜测可能会蔓延、不会蔓延”的模糊感觉尚未消除,交织在69%左右。
世界で最も流動性が高くて使い勝手の良いドルに5%台前半という魅力的な短期金利が付与されており、これからまだ少し上がるかもしれないという期待が残っている間、ドルの人気はなかなか落ちない状況が続きそうだ。
美元作为全球流动性最强、使用方便的货币,其短期利率在5%的低位区间颇具吸引力,尽管人们仍预期美元可能会进一步小幅升值,但美元的受欢迎程度却在缓慢下降。不会继续出现这种情况。
ただ、米国で追加利上げが追加された場合でも、それで打ち止めになるならば、米政策金利の先高観に後押しされたドル高圧力はガス欠状態になるはずだ。
不过,即使美国进一步加息,如果就此结束,美元对预计进一步上调的美国政策利率的上行压力也将耗尽。
その後は日本政府による人為的な需給操作の助けが無くてもFRBの「次の一手」が利下げになることを見越してドル/円相場はピーク・アウトの時期を模索し始めるだろう。
此后,美元/日元汇率将开始寻找见顶时机,预计美联储的“下一步行动”将是在日本政府人为控制供需的情况下降息。
あくまで現時点での判断だが、米国で年内にあと1回の追加利上げが実施されても、そこで打ち止め感が広がる場合、ドル/円相場の戻り高値は昨年10月高値の151円95銭を超えることなく頭打ちになると考えている。
目前只是一个判断,但即使年底美国再次加息,如果有叫停的感觉,美元兑日元汇率也将触及去年10月高位151.95日元.我想如果没有它我会头疼的。
日本政府が巨額のドル売り・円買い介入をその手前で行ってしまうと、昨年10月に総額6.3兆円規模のドル売り・円買い介入を実施した後の2カ月半で25円近くもドル/円相場が急落した時のように、日本政府の為替介入が引き金になってドル安・円高方向への「過度の変動」を助長しかねない。
如果日本政府在此之前进行巨额的美元抛售和日元买进干预,那么在实施总计6.3万亿日元的美元抛售和日元买进干预后,两个半月内日元汇率将接近25日元去年10月,与美元/日元汇率暴跌时一样,日本政府的外汇干预可能引发美元贬值、日元升值方向的“过度波动”。
現在、日本は為替相場を自由化して約半世紀の歳月を経ており、長期的にみて最適な資源配分を促す為替レートの水準や方向は、市場に任せて決めてもらうのが大原則だ。為替は自然体の需給を反映し、時宜に応じて円高なったり円安になったりのするのが国益にかなっており、一方的な「円高国患論」や「円安悪玉論」は、市場重視の思想に反している。
目前,日本的汇率自由化已进行了约半个世纪,其基本原则是让市场决定汇率水平和方向,从长远来看促进资源优化配置。汇率反映的是自然供求关系,日元根据时机升值或贬值才符合国家利益,这与市场化思维相悖。
これからの市場でドル高・円安が進んだ場合、財務省は慎重に実弾介入再開の是非を検討することになるだろう。
如果未来市场上美元走强、日元走弱,财政部将仔细考虑恢复实弹干预的利弊。
編集:田巻一彦
编辑:玉木和彦
*本コラムは、ロイター外国為替フォーラムに掲載されたものです。筆者の個人的見解に基づいて書かれています。
*本专栏发布在路透社外汇论坛上。这是基于作者的个人意见。
*植野大作氏は、三菱UFJモルガン・スタンレー証券のチーフ為替ストラテジスト。1988年、野村総合研究所入社。2000年に国際金融研究室長を経て、04年に野村証券に転籍。国際金融調査課長として為替調査を統括、09年に投資調査部長。同年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画、12月より主席研究員兼代表取締役社長。12年4月に三菱UFJモルガン・スタンレー証券入社、13年4月より現職。05年以降、日本経済新聞社主催のアナリスト・ランキングで5年連続為替部門1位を獲得。
* daisaku ueno 是 mitsubishi ufj morgan stanley securities 的首席外汇策略师。 1988年加入野村综合研究所。 2000年,他担任野村证券国际金融研究实验室主任。 2009年,他出任投资研究总监。同年7月参与创立gaitame.com研究院,12月起任首席研究员、院长。 2012年4月加入三菱日联摩根士丹利证券,并于2013年4月担任现职。自2005年起,在日本经济新闻主办的分析师排名中连续五年位居外汇界第一名。
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