欧州の個人向け国債ラッシュ、家計の力浮き彫り－ベルギーが一例

2023年9月4日 12:50 JST

ベルギー、220億ユーロ強の需要を確保－個人向け国債で

国民に魅力的な金利提供しながら、借り入れコスト下げることが可能

最近の国債発行は、欧州各国政府が高金利環境という課題に取り組む上で、家計の力にますます注目しつつあることを示している。

各国政府が状況を適切に判断すれば、ベルギーなどは国民に魅力的な金利を提供しながら、借り入れコストを下げることが可能で、ソシエテ・ジェネラルのアナリストはこれを「ウィンウィン」と評している。同国は個人向け国債発行に向け既に220億ユーロ（３兆4600億円）強の需要を確保しており、最終結果は４日に発表される。

こうした国債発行は、金融機関がより高い預金金利を顧客に提供することも促す。英国では先週、利回りが市場実勢をはるかに上回る形で個人向け債券が発行された。こうした動きは、競争促進につながり、市中銀行は最近の中央銀行の利上げを一段と反映させる方向となりつつある。

ラボバンクの金利戦略責任者リチャード・マクガイア氏は電話インタビューで、「コロナ禍で積み上がった多くの貯蓄があるが、その多くは比較的裕福な層が保有しているため、まだそこにとどまっている」とした上で、「イタリアやポルトガル政府、今ではベルギー政府がそれに気付いている」とした。

Belgium\'s Blockbuster Bond Sale

September offering to retail investors attracts record demand

Source: Belgian Debt Agency. The September amount is an interim result.

ソシエテやラボバンクのアナリストによれば、ベルギーの１年債発行の状況は、当局が設定する今年の個人向け目標額２億5000万ユーロを大幅に上回るもので、他の一部の同国債利回りの抑制に寄与する見通しだ。

欧州ではゼロ金利、さらにはマイナス金利が追い払われることに安心が広がり、一般市民の間でも高利回りの金融商品に対する購入意欲が強いことが国債への需要から分かる。資金調達コスト上昇と歳出計画拡大に直面する各国政府は、資金調達ベースの多様化を目指している。

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Source: NS&I