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プライベートクレジット、利息繰延可能ローンで銀行に対し優位性
概要：米投資会社カーライル・グループが医療機器メーカーのメドトロニックの一部事業に対して計画しているバイアウト案件で、プライベートクレジットファンドが利息の一部繰り延べが可能となるペイメント・イン・カインド（ＰＩＫ）を盛り込んだ融資案を提示した。同案件向けファイナンスで競合する銀行と差を付けるのが狙い。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。
米投資会社カーライル・グループが医療機器メーカーのメドトロニックの一部事業に対して計画しているバイアウト案件で、プライベートクレジットファンドが利息の一部繰り延べが可能となるペイメント・イン・カインド（ＰＩＫ）を盛り込んだ融資案を提示した。同案件向けファイナンスで競合する銀行と差を付けるのが狙い。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。
今回の買収案件に関してプライベートクレジット側は、直接融資市場で活用が増えているシニアと劣後の債務を組み合わせたユニトランシェローン約26億ドル（約3860億円）の提供を検討している。公に発言する権限がないとした上で関係者が語った。利払いの一部を繰り延べて複利計算による利息を付けて償還するＰＩＫの適用オプションを提示しているという。
関係者によると、ローンの条件は担保付翌日物調達金利（ＳＯＦＲ）対比550ベーシスポイント（ｂｐ、１ｂｐ＝0.01％）上乗せ（スプレッド）で現在交渉中。同スプレッドの半分にＰＩＫの適用が可能だという。
カーライルとメドトロニックの担当者はそれぞれコメントを控えた。カーライルによる買収案件およびそれに関連する資金提供の詳細は引き続き交渉の段階にあり、いずれも変更あるいは破談の可能性もある。
プライベートクレジットファンドが資金提供でＰＩＫを適用できることは、銀行との競争で有利に働いている。現在のところ、銀行がハイイールド債やレバレッジドローン市場でこうしたファイナンスを提供するのは難しい。このため、利払い負担の軽減を模索するプライベートエクイティー（ＰＥ、未公開株）企業がＰＩＫオプションを求めてプライベートクレジットを利用するケースが増加している。
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