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100ドル付近の原油は需要を破壊、最近の価格下落が示す－ＩＥＡ
概要：１バレル＝100ドル近くから原油価格が後退したのは、原油高が米国やその他の地域で需要減が始まるほどの水準に達したことを示しているとの見解を、国際エネルギー機関（ＩＥＡ）が示した。
１バレル＝100ドル近くから原油価格が後退したのは、原油高が米国やその他の地域で需要減が始まるほどの水準に達したことを示しているとの見解を、国際エネルギー機関（ＩＥＡ）が示した。
ＩＥＡは月報で「マクロ経済指標の悪化や米国で需要が破壊されている兆しが、供給不安を上回った。米国ではガソリン需要が20年ぶりの低水準に落ち込んだ」と指摘。「為替の影響や補助金の打ち切りが燃料価格上昇に拍車を掛けている新興国市場では、需要破壊がいっそう深刻だ」と続けた。
国際的な指標原油のブレント先物は９月下旬、１バレル＝97ドルを超えて10カ月ぶりの高値を付けた。世界の燃料消費が記録的な水準を続けていることに加え、サウジアラビアとロシアが供給を絞っていることが要因だ。だが、「より高水準の金利がより長く続き、経済成長と需要の伸びを減速させ得る」との懸念から、原油価格はそれ以来12％下落したと、ＩＥＡは説明した。
米国と欧州連合（ＥＵ）がテロ組織に指定しているイスラム組織ハマスがイスラエルを先週末に攻撃し、週明けの９日に原油価格は急伸。主要産油国でハマスを支援するイランも巻き込んだ戦争に発展しかねないとの懸念が浮上したためだが、12日のロンドン時間に原油先物は再び下げ、86ドル前後で取引されている。
「現物の供給に今のところ直接的な影響はないが、市場の不安は続くだろう」とＩＥＡは指摘。緊急石油備蓄の放出も監督するＩＥＡは、「市場に適切な供給が確実に維持されるよう、必要に応じて行動する用意がある」と表明した。
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