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概要:2023年3月期に過去最高益を更新した味の素の藤江太郎社長がイベントに登壇し、経営不振から脱却するために取り組んだ人材投資や構造改革について語りました。
味の素の藤江太郎社長が26日、クラダシが主催する「食のサステナビリティ共創・協働フォーラム」に登壇した。2023年3月期に最高益を更新し好調の味の素が、約5年前に陥っていた業績不振からの脱却に向けて何をしてきたのかを語った。
「最大の要因は縦割りの組織とたこつぼ化による企業風土の硬直化だったと思っている」
味の素は今から約5年前の2018年ごろ、業績不振に陥っている。
当時(2019年3月期)の決算では、純利益が前期比で51%減少。特に国内の食品事業が不調で、国内の事業利益は前期を90億円下回る298億円(前期比76.9%)だった。時価総額も2019年前後は低迷した。
藤江社長は、その要因について、冒頭のように振り返る。
どの企業でも発生しうる課題に対して、藤江社長らが出した「処方せん」はこうだ。
一つは構造改革。これは主に前任の西井孝明社長時代に行われた。
味の素は2021年、社外取締役が過半数を占める指名・監査・報酬の3つの委員会を取締役会に設置する「指名委員会等設置会社」に移行し、企業統治を強化した。
「キャスティングボート(決定権)を社外取締役のみなさんに委ねるということですから、前CEOはものすごい覚悟だったと思う」(藤江社長)
同年4月には、味の素のあり方について社外の有識者らが提言する「サステナビリティ諮問会議」も設置した。
「このサステナビリティ推進と、社員のモチベーションアップ。これはすごい正の相関関係があると思っています」(藤江社長)
味の素の統合報告書によると、従業員の時間当たりの連結売上高は増加傾向にある。
10年前から中計に疑問
統合報告書では、人材資産に関する内容に多くのページを割いている。
出典:味の素グループASVレポート2023
藤江社長は2022年4月に社長に就任した。社長交代時、前社長の西井氏とは
「週に1回、1時間くらい、徹底的に味の素グループの今のいいところってどんなところなのか、課題ってどういうことなのかを、様々な場面で振り返った」
という。
その結果、改善していくこととして決めたのが「スピードアップとスケールアップ」だった。
こうした中で打ち出したのが、中期経営計画の廃止だ。
藤江社長はフィリピン味の素、ブラジル味の素の社長を歴任していた2010年代にも
「当時の経営陣に、もう3カ年計画をやめましょう、3カ年先の経済や社会はほぼ変わりますと言っていた」
と、かねてから中期経営計画の必要性に疑問を持っていたことを明かした。
「比較的真面目な企業でもあるので、3カ年計画をかなり綿密に、緻密に、ものすごい熱量をかけて作っていたんですね。そうすると、計画が出来上がるともう精魂尽き果てて、 実行する余力があんまり残ってないみたいな、冗談みたいな本当の話が実はあった。だから、プランプラン、から実行力を磨き込む、こういう経営にしていこうとしている」(藤江社長)
実行力を上げるために、人材への投資も力を入れる。
味の素は人的資本経営の先進企業としても知られ、2022年度は約100億円の人材投資をした。2023年から2030年までの期間においては累計1000億円以上の投資計画を表明している。
2023年には、国内の従業員に自社株100株(10月26日の株価で約55万円)を支給するという「かなり思い切った施策」(藤江社長)を実施した。
「この投資が必ずリターンとして、経営としても返ってくるようにみんなで企業価値を上げようじゃないか、いろんな挑戦をやっていこうじゃないかという取り組みの一つ」
と意図を説明する。
他にも、社員の多様性や挑戦を促すための取り組みとして、手挙げ式(公募)による異動制度などを始めている。これについては、2070年までに異動の7割を公募式にしたい考えを示した。
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