简体中文
繁體中文
English
Pусский
日本語
ภาษาไทย
Tiếng Việt
Bahasa Indonesia
Español
हिन्दी
Filippiiniläinen
Français
Deutsch
Português
Türkçe
한국어
العربية
概要:世界のジャンク級(投機的格付け)社債市場は2年連続の縮小に向かっている。米国債の10年物利回りが約4.5%となる中で、高リスク債への投資意欲が減退している。
2023年11月6日 15:28 JST
世界のジャンク債残高は今年これまでに約1700億ドル減少
今のハイイールド債市場、10年前と全く異なる-BofA
世界のジャンク級(投機的格付け)社債市場は2年連続の縮小に向かっている。米国債の10年物利回りが約4.5%となる中で、高リスク債への投資意欲が減退している。
中央銀行の利上げで借り換えコストが高くなったため、少なくとも一部の企業は負債の削減を図っている。ブルームバーグの指数データによると、ハイイールド債市場は1兆9400億ドル(約290兆円)規模。2022年に残高が2810億ドル減少と過去最大の縮小だったが、今年も約1700億ドル(約8%)減っており、このままいけば2回目の2年連続縮小となる。
バンク・オブ・アメリカ(BofA)のクレジットストラテジスト、バーナビー・マーティン氏は「発行体が利用するには割高になったため、ハイイールド債市場は縮小している」と説明。「今の市場は10年前とは全く異なっているように感じられる」と話した。
Global Junk Firms\' Debt Pool Shrinks Again
Market sees back-to-back annual decline for only the second time
Source: Bloomberg
低金利と緩和的な金融政策が何年も続いていたが、現在はジャンク級企業がいつでも借り入れができる状況ではなく、発行市場が事実上閉ざされていることも多い。3月に銀行が相次いで破綻したことで与信環境が引き締まった上に、先月は利回りが急上昇し、予定していた起債を延期・中止した企業もあり、市場の縮小につながっている。
今後は多くの企業にとって、借り換え先送りという選択肢はなくなるだろう。ゴールドマン・サックス・グループのストラテジストらによれば、18-36カ月以内に満期を迎える米ジャンク債の残高は07年以来の高水準で、借り手は間もなく借り換えを余儀なくされる見込み。
ドミノ効果
これらの企業の一部は、高額の負債と資本市場へのアクセス欠如、収益の悪化という少なくとも3つの弱点を抱えている。
ジャナス・ヘンダーソン・インベスターズの債券世界責任者ジム・シーリンスキ氏は1週間前のリポートで、「影響は遅れて表れるだろうが、金利の驚異的な上昇は現在の信用サイクルにドミノ効果をもたらすと予想される」と分析。
「高金利での債務借り換えは、インタレスト・カバレッジ・レシオの低下を招き、最終的には数年後にデフォルト(債務不履行)を引き起こす可能性がある」と警告した。
世界のジャンク債利回りはここ数カ月で急上昇。11月初めの低下後も8月の水準を大きく上回り、ブルームバーグの指数データによれば、6月前半以来の高水準に近づいている。銀行融資の確保も難しくなっており、レバレッジドローン市場も引き続き機能せず、選択肢は限られる。
これまでに世界のジャンク債市場が2年連続して縮小したのは、米金融当局が利上げサイクルを開始した15-16年だけだった。08年の世界金融危機後に行った緩和の巻き戻しだった。
市場は17年に景気回復を受け再び拡大したが、今回は借り手にとってそれほど幸運な状況にはならないかもしれない。
免責事項:
このコンテンツの見解は筆者個人的な見解を示すものに過ぎず、当社の投資アドバイスではありません。当サイトは、記事情報の正確性、完全性、適時性を保証するものではなく、情報の使用または関連コンテンツにより生じた、いかなる損失に対しても責任は負いません。