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概要:米金融調査会社ライトソンICAPは米金融当局が進めている保有債券圧縮について、銀行が確実に十分な準備預金を持つようにするため、当局の翌日物リバースレポ(RRP)ファシリティーが完全に資金枯渇となる前にストップすべきだとの見解を示した。
2023年11月14日 12:10 JST
量的引き締め背景に翌日物RRP応札額は1兆ドル程度に落ち込み
厚めの流動性バッファー保有を銀行に促すべきだ-クランドール氏
米金融調査会社ライトソンICAPは米金融当局が進めている保有債券圧縮について、銀行が確実に十分な準備預金を持つようにするため、当局の翌日物リバースレポ(RRP)ファシリティーが完全に資金枯渇となる前にストップすべきだとの見解を示した。
米銀行システムが必要とする準備預金を巡っては、それが手薄になり金融機関が短期資金調達市場への依存を深めるようになる手前の水準がどこなのか不確実な部分がある。同ファシリティーはマネーマーケットファンド(MMF)などが余剰資金で金利を稼ぐのに活用している。
米金融当局者は現在3兆3600億ドル(約510兆円)に上る準備預金を十分と見なし、ランオフ(償還に伴う保有証券減少)を継続している。こうした量的引き締め(QT)を進める当局に代わり、金融機関が新規発行の国債購入に充てるため、銀行システムから超過資金を引き揚げている形だ。
QTを通じ、連邦準備制度の翌日物RRPファシリティーからは6月以降に1兆ドル余りが流出した状況にあり、応札・落札額は1兆ドル程度に落ち込んでいる。準備預金はまだ潤沢な水準と見受けられるものの、米金融当局は厳密な目標水準を示していない。
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ライトソンICAPのチーフエコノミスト、ルー・クランドール氏は13日のリポートで、銀行の資金バッファーが細り過ぎて短期の資金調達市場への圧力が高まることがないようにするため、同ファシリティーが完全に枯渇する前の段階で当局が保有債券の圧縮を停止すべきだと指摘した。
クランドール氏はその中で、「厚めの流動性バッファーの保有を銀行に促すべきだとわれわれは考えており、『潤沢』の定義に幅を持たせるのが望ましい」とし、「RRPにある余剰資金は、資金調達ニューズが急増した場合、MMFによってレポ市場に振り向けられることが考えられる」と論じた。
準備預金が手薄になって翌日物の貸出金利が急上昇した例としては、2019年のケースが顕著だ。当時は銀行システムが安心できる必要水準の下限の把握に当局が努めていた経緯があり、現在の状況に類似している。
ただ、金融当局のRRPファシリティーの応札・落札額が減った現状にあっても、金融機関が資金を借り入れる短期市場でトラブルは生じていない。実効フェデラルファンド(FF)金利は5.33%で変わらずに推移し、5.25-5.5%の当局誘導目標レンジ内に収まっている。
バンク・オブ・アメリカ(BofA)のストラテジスト、マーク・カバナ、ケイティー・クレイグ両氏は、準備預金はパウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長率いる金融当局がQTを開始した当時よりも高い水準にとどまっており、当局にはクッションをさらに減らすつもりがほとんどない可能性を示唆しているとみる。
金融当局者が準備預金をどの程度圧縮すべきかと考えているのか正確には不明だ。ダラス連銀のローガン総裁は10日の講演で、ウォール街のストラテジストが提唱しているよりも低い水準となる正常化の枠組みを提示した。他の当局者は市場環境を注視していると強調している。
クランドール氏は当局について、「一段とスリムなバランスシートが長期目標であるとしても、『潤沢』から『十分』に慎重に移行することを選ぶかもしれない」とした上で、「その議論の焦点がはっきりとするまでには多少の時間がかかる可能性がある」との見方を示した。
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