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概要:ゴールドマン・サックス・グループのエコノミストは、欧州中央銀行(ECB)が来年4-6月(第2四半期)に初回の利下げに踏み切ると予想し、従来の見方から前倒しした。
2023年12月1日 22:13 JST
従来は7-9月に初回の0.25ポイント利下げを見込んでいた
11月30日発表のユーロ圏インフレ、大幅鈍化-状況の急速な変化示す
多くのECB当局者が金利はしばらく高止まりすると主張しているにもかかわらず、市場は来年4月の利下げを完全に織り込んでいる。
ECBは来年4月に利下げ開始、市場が初めて完全に織り込む
11月30日に発表されたデータは、インフレを巡る状況が急速に変わりつつあることを示す、これまでで最も顕著な証拠となった。11月のインフレ率は2.4%と、8月の半分以下に低下した。
他行のエコノミストも、この最新データが物価と金融政策の見通しを見直すきっかけになる可能性があると考えている。
ルーベン・セグラカユエラ氏率いるバンク・オブ・アメリカ(BofA)のアナリストはリポートで、最新データは「かつてのような低インフレが持続する状態へと急速に移行しているのではないかと思わせる。われわれはそれを、インフレが永遠に高止まりするよりも可能性が高いシナリオだと考えてきた」とし、「ECBが利下げに踏み切るのが2024年6月では遅過ぎるのではないかという気がしている」と続けた。
ドイツ銀行のエコノミスト、マルク・デムイゾン氏は、11月30日に発表された数字に基づくと現在の基調的物価上昇率は既に2%を下回っているとの見方を示し、「最新のインフレデータは、ECBが想定より早く、より急激な緩和を実施するリスクを高めた」とリポートで指摘した。
ゴールドマンのエコノミストは、物価データのほかにドイツの財政負担膨張がユーロ圏経済に与える悪影響や、労働市場が減速している兆候も新たな見通しの根拠に挙げた。
「とはいえ、利下げは緩やかだと引き続き予想している」とし、ユーロ圏の成長は来年には改善する見込みで、賃金上昇の指標はまだ「堅調」だとの見方を示した。
14日のECB政策決定会合では新たな経済見通しが発表され、当局者の考えを変える土台になるかもしれない。しかしタカ派当局者はその準備が整っていないもようで、ドイツ連邦銀行のナーゲル総裁は11月30日のデータ発表後に、インフレリスクは「上方に傾いている」と主張した。
対照的に、イタリア中銀のパネッタ総裁は「ディスインフレが進行中だ。経済活動への不必要なダメージや金融の安定へのリスクを避ける必要がある」と論じた。
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