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概要:イーロン・マスク氏が率いるスペースXやジェフ・ベゾス氏のブルーオリジンなど民間の宇宙開発企業がロケットの製造・開発を強化し、月進出を目指す国が増える中、関連機器や資材を提供する中堅メーカーが恩恵を受けている。
2024年1月24日 16:05 JST
衛星メーカーのMDA、昨年の株価上昇率80%
宇宙関連市場、今後10年間で150兆円規模に成長へ-MDAのCEO
イーロン・マスク氏が率いるスペースXやジェフ・ベゾス氏のブルーオリジンなど民間の宇宙開発企業がロケットの製造・開発を強化し、月進出を目指す国が増える中、関連機器や資材を提供する中堅メーカーが恩恵を受けている。
宇宙探査や大規模な人工衛星ネットワークの構築に向けた民間と政府による巨額の資金投入などを背景に、昨年は関連銘柄が大幅高となった。ベンチャー企業テレサットの衛星ネットワーク「ライトスピード」の設計・構築など多数の大型契約を獲得した人工衛星メーカーのMDAは、年間の株価上昇率が80%に達した。
カナダ・オンタリオ州を本拠とするMDAのマイク・グリーンリー最高経営責任者(CEO)はインタビューで、「新しいロケットの打ち上げが成功すれば、常にそれが絶好のマイルストーンになる」と指摘。「控えめな数字」とした上で、宇宙産業全体の規模は今後10年で1兆ドル(約150兆円)に達する可能性があるとの見方を示した。
熱伝導機器などの製造を手がける米グラハムは、2021年にターボポンプ製造会社バーバー・二コルスを買収し、宇宙事業に参入。同社株は23年に前年の2倍近くに上昇した。フランスのアルミニウム製品メーカー、コンステリウムの株価は昨年約69%上昇。同社は、宇宙事業の規模が小さいものの、ブルーオリジンの軌道ロケット「ニューグレン」向け部品供給などを挙げて事業の拡大方針を明らかにしている。
スペース・ファンデーションのリポートによると、世界的な宇宙産業の経済規模は、22年に5460億ドルに達し、今後5年間で41%成長すると予測されている。
分析会社キルティ・スペースのクリス・キルティ共同CEOは、現状を「スペースX効果」と呼び、今後は宇宙事業を成長分野として挙げる企業が増えると見込む。「ロケットの打ち上げ回数や軌道上の衛星数、新規に資金を調達した事業の数、業界に注ぎ込まれたベンチャーキャピタルの額など、この業界は驚異的な成長を遂げている」とインタビューで話した。
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