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概要:欧州中央銀行(ECB)はこれまでのインフレ低下を無駄にしないため、利下げを急がない考えだ。政策委員会メンバーのカジミール・スロバキア中銀総裁は、利下げ開始時期は4月よりも6月の可能性の方が高いと述べた。
拙速な行動、これまでのインフレ進展を脱線させる恐れ
ECB政策委員のカジミール氏、意見記事で見解を表明
欧州中央銀行(ECB)はこれまでのインフレ低下を無駄にしないため、利下げを急がない考えだ。政策委員会メンバーのカジミール・スロバキア中銀総裁は、利下げ開始時期は4月よりも6月の可能性の方が高いと述べた。
カジミール氏は29日公表された意見記事で、「中期的な見通しに明確さが不足したまま、短期的なサプライズに基づいて拙速な行動を取るのは危険だろう。そんなことをすれば、目標達成に向けてこれまで果たしてきた前進を容易に脱線させてしまう」との見解を示した。
ECBは先週、3会合連続で政策金利を据え置いた。ラガルド総裁は、早期の大幅な利下げを見込む金融市場の観測を押し返したが、予想されたほど強力な論調ではなかった。それ以来ユーロ圏各国の政策委員メンバーが発するコメントは、どれだけ早く行動するかについて見解に隔たりがあることを示唆している。
カジミール氏は「4月か6月かという正確な時期は、決定のインパクトにとって二の次だと自分は確信している」と主張。「6月の可能性の方が高そうだが、時期について拙速な結論に飛び付くことはしない。正当化できる状況になり次第、すぐ行動することにためらいはない」と続けた。
今後入ってくるデータとECBスタッフによる3月の経済見通しに基づき、政策委員会は決定することになるとカジミール氏は指摘。今後数年間に及ぶ賃金合意が依然「予想できない要因」だと付け加えた。
「良い兆しがあるとは言え、自信を持って結論を下すだけの十分な情報はない」とし、「これが理由で、利下げ時期を現時点で議論するのは時期尚早だ」と論じた。
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