【新紙幣発行まで3日】人物とデザインの変更を徹底解説！

7月3日から、新しい一万円札、五千円札、千円札が20年ぶりに刷新・発行されます。キャッシュレス化が進む中でも、紙幣は私たちの生活に欠かせない存在であり続けています。

新紙幣について

7月3日から、新しい一万円札、五千円札、千円札が発行されます。デザインのほか、表面に描かれる肖像画も変更されます。

新一万円札はおよそ500もの企業の設立に関わり、日本の資本主義の父とされる実業家の渋沢栄一、新五千円札は現在の「津田塾大学」を創設し、女性の地位向上に尽力した教育家の津田梅子、新千円札は世界で初めて破傷風菌の純粋培養に成功し、「近代日本医学の父」と呼ばれている細菌学者の北里柴三郎に変わります。

渋沢栄一は「日本近代社会の創造者」と呼ばれ、実業界で活躍した人物です。27歳のときに徳川幕府15代将軍である徳川慶喜の弟・徳川昭武に随行して欧州諸国を訪問し、近代的な社会制度を学びました。

日本へ帰国したあとは商法会所の設立を行い、明治政府では大蔵省の官僚としてさまざまな政策の立案に関わるなど、明治維新後の国づくりに大きく貢献しました。

官僚を退任したあとは、第一国立銀行や東京証券取引所、東京商法会議所などの設立に尽力し、生涯で約500社の企業に関わったとされています。

また、新一万円札の裏面は、重要文化財でもある東京駅の丸の内駅舎が描かれています。

五千円札は、現在の樋口一葉から、津田梅子の肖像へと変更されます。

津田梅子は、女子英学塾（現・津田塾大学）の創設者として知られる人物です。6歳のときに「日本初の女子留学生」として岩倉使節団とともに渡米し、米国で初等中等教育を受けて17歳のときに日本へ帰国します。

その後、再度渡米を経たあとの1900年に女子英学塾を設立し、女性の地位向上と女子高等教育の普及に大きく貢献しました。

また、新五千円札の裏面は、古事記や万葉集などに登場して古くから日本で親しまれているフジ（藤）の花が描かれます。

千円札は、現在の野口英世の肖像から、北里柴三郎へと変更されます。

北里柴三郎は、「近代日本医学の父」と称される微生物学者です。18歳のときに古城医学所兼病院（現・熊本大学医学部）にて医学の道に進み、その後、東京医学校（現・東京大学医学部）やドイツのベルリン大学で医学を学びます。

ドイツへの留学中には破傷風菌培養の成功や破傷風菌抗毒素の発見を行い、血清療法へと発展させました。日本へ帰国したあとは、伝染病研究所や慶応大学医学部の創設、日本医師会などの医学団体・病院の設立などを行い、伝染病予防や細菌学の研究に生涯を通じて従事しました。

また、新千円札の裏面は、浮世絵師の葛飾北斎の代表作である「富嶽三十六景（神奈川沖浪裏）」へ変更されます。

偽造防止技術とユニバーサルデザイン

新しいお札は、最新の偽造防止技術が採用されています。具体的には、以下のような技術が取り入れられています：

3Dホログラム技術: 券面の肖像が見る角度によって回転する。

高精細なすき入れ模様: 肖像の周囲に施される。

潜像模様: 紙幣を傾けると数字や「NIPPON」の文字が浮かび上がる。

マイクロ文字: カラーコピーでは再現できない細かい文字。

特殊発光インキ: 紫外線を当てると発光する部分がある。

また、紙幣を識別しやすいユニバーサルデザインも導入されています。例えば、触って確認できる識別マークの位置を券種ごとに変更するなどの工夫がされています。

いつから入手できる？

7月3日以降、日本銀行から金融機関に新紙幣が支払われ、準備が整った金融機関から順次、金融機関の窓口やATMで入手できるようになります。

詐欺に注意

新紙幣発行に便乗した詐欺に注意が必要です。新しい紙幣が発行された後も、現行の紙幣は引き続き使用できます。

SNSなどで「旧紙幣が使えなくなる」などの偽情報が広がっていますが、財務省は「現行の紙幣は引き続き使用可能である」と注意喚起しています。疑わしい情報があれば、すぐに110番通報し、慎重に対応してください。

参考：https://www.gov-online.go.jp/article/202406/entry-6075.html