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概要:東京証券取引所(TSE)とニューヨーク証券取引所(NYSE)の2大証券取引所が取引時間の延長を発表し、世界の金融業界から大きな注目を集めています。
東京証券取引所(TSE)とニューヨーク証券取引所(NYSE)の2大証券取引所が取引時間の延長を発表し、世界の金融業界から大きな注目を集めています。
11月5日より、東京証券取引所(東証)は取引終了時間を30分延長し、従来の午後3時から午後3時半までに変更しました。これにより、約70年ぶりとなる取引時間の変更となります。
変更後の取引時間は、午前9時から11時半までの前場と、昼休みを1時間挟んで午後12時半から午後3時半までの後場の合計5時間半になります。
この延長の目的は、システム障害発生時の取引再開をスムーズにすること、さらに海外投資家にとってより参加しやすい環境を提供することです。
また、東証は「クロージング・オークション」制度を導入し、取引終了前の5分間には、終値を決定するための売買注文のみを受け付けます。この間、実際の約定は行われませんが、株価の変動も発生しないため、投資家は指定した価格で注文を出すことができます。この仕組みによって、終値決定がより透明で公平に行われることが期待されています。
この取引時間延長について、市場では賛否が分かれています。東証の関係者は、取引量の増加を期待していますが、一部の投資家は、取引時間の延長だけでは必ずしも取引量の増加には繋がらないとの懸念を示しています。特に、5分間の「クロージング・オークション」による流動性の偏りや取引の不安定化が懸念されており、慎重な声もあります。
一方、ニューヨーク証券取引所(NYSE)は、取引時間を毎営業日22時間に拡大する計画を発表しました。
これにより、NYSE Arcaという完全電子化取引所での米国株の取引時間が、米東部時間の午前1時30分から午後11時30分までに延長されます。この変更により、米国株式市場の時間前取引と時間後取引は、従来の取引時間に比べて6時間長くなります。
NYSEのこの動きにより、取引時間は世界のほぼすべてのタイムゾーンをカバーすることになり、米国市場の強さと、米国上場証券に対する世界的な需要の高まりが反映されています。
NYSEの市場責任者、ケビン・ティレル氏は、「世界中のあらゆる時間帯のトレーダーに米国株取引サービスを提供することが目的で、市場をリードし続けることを目指している」と述べています。この取引時間延長により、投資家は従来の取引時間外の出来事に迅速に対応できるようになります。
東証とNYSEの取引時間延長は、世界的な株式市場での取引時間延長のトレンドを反映しています。
金融市場のグローバル化や取引技術の進展により、投資家の取引時間に対するニーズは高まり、取引時間の延長は市場の流動性と透明性を向上させ、投資家にとっての取引機会やリスク管理手段を拡大させることが期待されています。
しかし、取引時間の延長には一定の課題やリスクも伴います。例えば、取引システムの安定性やセキュリティの確保、流動性の希薄化や変動性の上昇をどう防ぐかといった問題が考えられます。流動性が低下するリスクは、特に取引時間が長くなることで、取引量が分散する可能性がある点が懸念されています。これらの問題に対して、各取引所は慎重に対応していく必要があります。
東証とNYSEの取引時間延長は、グローバルな金融市場の競争力を高める動きとして注目されています。しかし、取引時間延長が必ずしも取引量の増加や市場の安定につながるとは限らず、その効果を最大限に発揮するためには、各取引所が市場の動向や投資家の反応を見極めながら、慎重に運営を進めていく必要があります。
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