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概要:人間による補助を必要としない「完全自動運転」の実現は、間近に迫っているとも、まだ10年はかかるとも言われる。そんななかで「達成度80%を超えた」と評価されるのが、米GM傘下の「クルーズ(Cruise)」だ。
米ゼネラル・モーターズ(GM)傘下で、日本のホンダやソフトバンクも出資する自動運転開発会社「Cruise(クルーズ)」の試験運転車両。
Cruise
完全自動運転車の開発は、今日最も困難な技術的課題のひとつだ。
自動運転車は、公道を走る他の車両や歩行者の挙動など、周囲で次々と起こる出来事にミリ秒単位で反応できる必要がある。
米ゼネラル・モーターズ(GM)傘下で、評価額190億ドルの自動運転開発会社クルーズ(Cruise)は、車載人工知能(AI)のアルゴリズム精度を上げるため、「継続学習マシン(CLM)」を活用している。
200台の公道試験車両から集まってくる情報の多くは、典型的な運転行動に関するものばかりだが、実はその究極の狙いは「干し草の山にまぎれ込んだ針」ほどの通常想定しがたいケースにめぐり合うことだ。
クルーズは日ごろから、公道試験を目的とする自動運転車200台を、米西海岸サンフランシスコの街なかで走らせている。道路状況や歩行者の挙動、他の一般者のドライバーの運転行動に関するデータを集めるのが目的だ。
走行するのはそれぞれ1日数時間、運転席には人間のドライバーが乗り込み、制御はほとんど自動で行われる。
車体に搭載された40個の独立したセンサーが集めたデータは「コンティニュアス・ラーニング・マシン(CLM、継続学習マシン)」に送られ、自動でラベル分けされる。これはクルーズのあらゆるAIモデルにとって重要なデータソースとなる。
クルーズの核心を支えるのは、それぞれ「認識」「予測」「計画」を司る3種類のソフトウェアだ。
「認識」は、自動運転システムの“目”にあたり、ある物体がクルマなのか人間なのか、それとも別の何かなのかを特定する。「予測」は、そうした物体が次にどんな動きをするのかを見抜く。「計画」は、それらの情報を組み合わせ、自車がどう動くかを判断する。
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